キッチンやお風呂の排水口のつまりは、排水管内の汚れの蓄積が原因です。排水口のつまりを解消するには目に見えるゴミを取り除くだけでなく、排水管内の汚れを取り除き、洗い流すことが必要です。
 
排水口のつまりは修理会社に依頼する方法もありますが、家にあるものやホームセンターで購入できる道具を使って自分で解決できる場合があります。
 
この記事では自分で排水口のつまりを解決する方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

排水口のつまりの原因

排水口のつまりの原因
 
排水口がつまる原因は、汚れが配管内部で固まり蓄積することです。蓄積する汚れは場所によって異なるため、対処や予防の方法も異なります。排水口がつまる原因は、主に以下のとおりです。
 
  • ●キッチン:酸化した油汚れの塊
  • ●お風呂:髪の毛にシャンプーなどの成分が絡みついた塊
  • ●洗面台:皮脂汚れと洗剤成分が混ざった塊
 
汚れは排水管内にこびりついているため、塊になった汚れを物理的に取り除いた後に洗浄剤を使って残った汚れを洗い流す必要があります。

塊になった汚れを取り除くための道具3選

塊になった汚れを取り除くための道具3選

排水口のつまりは、お湯を勢いよく流すことで解決できる場合がありますが、水圧で解決できない場合には、道具を使って汚れの塊を物理的に取り除く必要があります。こちらでは、汚れの塊を取り除くための道具を紹介します。

ワイヤーブラシ

ワイヤーブラシとは1〜10m程度のワイヤーにハンドルやブラシの付いた道具で、排水口に挿入し、ハンドルをくるくると回して汚れを引っ掛けることができます。ホームセンターなどで購入できます。長さや太さなど種類が豊富にあるので、排水管の形状に合わせて適した製品を使いましょう。
 
ワイヤーブラシは針金ハンガーを使って代用することもできます。針金ハンガーをまっすぐに伸ばして端を丸く折り曲げると、先端に汚物が引っかかりやすくなります。

ラバーカップ

ラバーカップとは、圧力で汚物を取り除く道具です。ラバー部分を排水口に密着させて、押し続けることで配管内に圧力をかけます。圧力をかけた状態でラバーカップを引き抜き、排水管から汚れの塊を引きはがします。
ラバーカップは「スッポン」や「プランジャー」とも呼ばれ、ホームセンターなどで購入できます。またラバーカップは2Lペットボトルでの代用も可能です。飲み口を排水口に差し込み、ペットボトルをへこませることで排水管に圧力をかけられます。

真空式パイプクリーナー

真空式パイプクリーナーは、ラバーカップと同じ原理で汚れを取り除く道具です。ラバーカップと同様に先端に排水口を覆うラバーがついており、ハンドルを押し引きして圧力をかけます。
 
ラバーカップに比べて強い圧力をかけることができ、押し引きする持ち手があるため使いやすいことが特徴です。ホームセンターなどで購入できます。ラバーカップよりも少し値段は高くなりますが、扱いやすさを重視する方には真空式パイプクリーナーがおすすめです。

汚れを分解できる洗浄剤3選

汚れを分解できる洗浄剤3選
塊になった汚れを取り除いたあとは、洗浄剤を使って残った汚れを分解して流す必要があります。こちらでは、排水口の掃除に効果的な洗浄剤を紹介します。

重曹とお酢

重曹とは「重炭酸曹達(ソーダ)」の略です。アルカリ性の性質を持っているため、酸化した皮脂汚れなどの汚れを分解する働きがあります。
 
排水口を洗浄する際には、重曹で汚れを分解した後にお酢を使うと効果的です。重曹とお酢が混ざると炭酸が発生し、汚れを浮き上がらせます。はじめに重曹で汚れを分解した後にお酢を投入すると、汚れをきれいに落とすことができます。
 
重曹はホームセンターやスーパー、百円ショップなどで購入できます。重曹は食用と掃除用が売られていますが、どちらを使っても問題ありません。
 

パイプクリーナー

パイプクリーナーは、排水管専用の洗浄剤です。パイプクリーナーは固形・粉末タイプと液体タイプがあり、ホームセンターなどで購入できます。
 
固形・粉末タイプは水に溶けることで洗浄剤になります。そのため、水がたまった排水トラップ内の洗浄に効果的です。液体タイプは排水管の壁に張り付き、水がない場所でも効果を発揮します。排水管全体の洗浄には、液体タイプを使用すると良いでしょう。
 
パイプクリーナーは、種類によって成分が異なります。油汚れが原因で詰まるキッチンの排水口には「水酸化ナトリウム入り」、髪の毛が原因で詰まってしまう洗面台やお風呂場の排水口には「次亜塩素酸ナトリウム入り」がおすすめです。

業務用配管洗浄剤

業務用配管洗浄剤は、家庭用に比べて洗浄力が強いことが特徴です。強いアルカリ性の水酸化カリウムや、水酸化ナトリウムが主要な成分です。
 
業務用配管洗浄剤には、液体タイプと顆粒状タイプの2種類があります。ホームセンターでは顆粒状タイプの購入が可能です。顆粒状タイプは配管内に直接投入せずに、排水口を囲むように撒いて40〜50度のお湯で排水口に流し込んで使います。
 
液体タイプはインターネットで購入することが可能ですが、取り扱いには注意が必要です。液体が皮膚や目に触れると、やけどや失明の可能性があります。液体タイプを使用する際には、使用上の注意点をよく読み、ゴム手袋や保護手袋、ゴーグル等を着用しましょう。

排水口のつまりを解決する手順

排水口のつまりを解決する手順
排水口の汚れを落とす基本的な手順をご説明します。

部品を外す

 
まず排水口周りの部品を外して、ゴミやぬめりを取りましょう。排水口の入り口部分に設置されている排水トラップには特にぬめり汚れがこびりついているため、水などで丁寧に洗浄することが重要です。排水トラップとは、排水口から悪臭や虫が上がってこないように水を貯める構造です。
 
キッチンの排水口では、排水トラップの「椀」とゴミ受けを取り外します。椀のあるキッチンの排水トラップは「椀トラップ」と言われ、コップを逆さにしたような形状をしています。排水口にかぶせてあるだけなので、簡単に取り外しが可能です。キッチンの種類によっては、椀が付いていない場合もあります。
 
洗面台の排水口には通常排水トラップは付いていません。洗面台は排水管がS字形になっており、排水管内で水を貯められる形状になっているためです。洗面台では、髪の毛キャッチャーなどのゴミ受けを取り外し、洗浄しておきましょう。
 
お風呂場は洗い場側と浴槽側の2箇所に排水口があります。洗い場側には「筒トラップ」と言われる排水トラップがついています。筒トラップは手で回して、取り外すことが可能です。筒トラップを外した下部にもぬめり汚れがあるので、シャワーできれいに流しておきましょう。

物理的につまりを取り除く

キッチンの排水口のつまりの原因は油汚れであるため、60℃程度のお湯を勢いよく流すことで解消できる場合があります。水流でつまりを解消できない場合には、真空式パイプクリーナーやワイヤーブラシなどの道具を使って汚物を取り除きます。
 
まずキッチン下の排水管の形状を確認してください。排水管がジャバラホースである場合には、真空式パイプクリーナーやラバーカップは使えません。圧力でホースが破損して、水漏れにつながる可能性があるためです。ジャバラホースの場合には、ワイヤーブラシを使って汚物を取り除いてください。
 
洗面台の排水管の多くはS字の形状をしており、ワイヤーブラシでは奥まで届かないため、真空式パイプクリーナーまたはラバーカップを使いましょう。真空式パイプクリーナーやラバーカップを使う際は、オーバーフローを防止するための横穴をテープなどで塞ぐことが必要です。横穴を塞がないと、空気が抜けてしまうため圧力がかかりません。
 
お風呂場の排水口は、洗い場側と浴槽側の2箇所にあります。2つの排水口は中でつながっています。真空式パイプクリーナーやラバーカップを使う際には、2つの排水口に交互に圧力をかける作業を繰り返してください。

洗浄剤で汚れを分解する

塊になった汚れを取り除いたあとは、洗浄剤で排水管内の汚れを分解しましょう。重曹、パイプクリーナーのいずれを使う場合であっても、汚れを分解する時間を確保するために洗浄剤を投入したあと30分程度放置することがポイントです。
 
洗浄剤で汚れを分解したあとは、お湯を1分程度流し続けると排水管内の汚れをきれいに落とすことができます。

排水口のつまりを解決する際の3つの注意点

排水口のつまりを解決する際の3つの注意点
排水管のつまりを取り除く作業は、部品の破損や被害を拡大させてしまうリスクを避けるために注意が必要です。

熱湯を注いではいけない

60℃以上のお湯を流すと、排水管が破損する可能性があります。排水管の多くは、耐熱性の低い塩化ビニル管が使われているためです。また排水管のつなぎめ部分の樹脂やゴムのパッキンも、熱湯で変形してしまう可能性があります。

排水管を分解しない

排水管を分解して、汚物を取り除くことは止めましょう。排水管は特殊なナットなどで接合されているため、素人が分解すると元に戻せなくなる可能性があります。排水管の接合不良は水漏れの原因になるため、自分で分解するのはリスクが高いです。

解決できない場合は無理せず専門会社に依頼する

真空式パイプクリーナーなどの道具を使ってもつまりを解消できない場合は、専門の会社に作業を依頼しましょう。無理に自分でつまりを解消しようとすると、排水管を破損させるなど被害が拡大する可能性があるためです。

排水口のつまり解決は道具や洗浄剤の特徴を理解して行いましょう

排水口のつまり解決は道具や洗浄剤の特徴を理解して行いましょう
排水口のつまりは、ホームセンターなどで購入できる道具や洗浄剤を使って解決できる場合があります。ただし、キッチンや洗面台などそれぞれの排水管の形状などに合わせた道具を使って、正しい手順で作業する必要があります。
 
道具の使い方を間違えるとつまりを解決できないばかりか、排水管を破損させてしまうリスクがあります。自分で対応するのが難しいと感じた場合には、無理せず専門の会社に依頼しましょう。
 
 近鉄のリフォームNewing(ニューイング)では、戸建住宅の排水管洗浄を行なっています。
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