花粉が室内に侵入する主な3つの経路

窓を閉め切っているつもりでも、家の中には多くの花粉が入り込んでいます。環境省のデータなどによると、一日のうちに換気や人の出入りによって侵入する花粉の量は、私たちが想像している以上に多いとされています。どこから花粉が入ってくるのかを把握することで、効果的な対策を打つことができます。

参考情報(最新):環境省 花粉症環境保健 マニュアル 2022
「換気」による侵入
家の中への花粉の侵入経路は大きく分けて3つあります。最も多いのが家の中に入る花粉の約60%を占める「換気」による侵入です。窓を開けたときや24時間換気システムを通じて入ってきます。対策として、窓を開ける幅を10cm程度に留めてレースカーテン越しに換気することや、給気口に花粉吸着フィルターを取り付けることが有効です。換気は必要不可欠ですが、入り口で物理的にブロックする工夫が求められます。【関連記事】花粉シーズンに気をつけたい換気のポイント! 時間帯や室内での対策などを詳しく解説|Libook|近鉄不動産株式会社
「洗濯物や布団」への付着による取り込みによる侵入
侵入経路の約37%を占めるのが、洗濯物や布団です。湿った洗濯物は花粉が付着しやすく、外干しをすることで大量の花粉を室内に招き入れてしまいます。特に晴れて風が強い日は危険です。この時期はできるだけ部屋干しに切り替えるのが最善の策ですが、どうしても外干しが必要な場合は、取り込む直前に表面をしっかり払うか、掃除機で花粉を吸い取ってから室内に入れるようにしましょう。この一手間で、室内の快適さは大きく変わります。帰宅時の「衣類・髪」の付着による侵入
割合としては約3%ですが、人が直接持ち込む花粉も見逃せません。外出時に私たちの衣類や髪の毛に付着した花粉は、玄関を通じてリビングへ運ばれます。特にウールやフリースなどの毛羽立った素材は花粉をキャッチしやすく、静電気が発生するとさらに吸着力が高まります。家に入る前に玄関先で上着や髪を優しく払い落とす習慣をつけることが大切です。また、花粉のつきにくいツルツルした素材(ポリエステル、ナイロン)の上着を選んだり、静電気防止スプレーを活用したりすることで、持ち込み量を最小限に抑えられます。花粉を家の中に持ち込まないための対策
室内の花粉対策における鉄則は「入れない」「舞い上げない」「取り除く」の3つですが、最も重要なのはそもそも「入れない」ことです。一度家の中に入ってしまった花粉をゼロにするのは非常に困難だからです。特に家族が出入りする玄関は、花粉が一番入ってくる場所です。ここでは、帰宅時の行動や身につけるものの選び方について具体的に解説します。玄関で実施すべき帰宅時のルーティン
帰宅した際、すぐにリビングへ入るのは避けましょう。まずは玄関ドアを開ける前に、家の外でコートや帽子、髪の毛についた花粉を手で優しく払い落とします。強く叩くと花粉が砕けて舞い上がってしまうため、撫でるように落とすのがコツです。家の中に入ったら、玄関先ですぐに上着を脱ぎます。もし可能であれば、玄関にコート掛けを設置し、花粉がついた上着をリビングに持ち込まないようにするのが理想的です。さらに、粘着クリーナーを玄関に常備しておき、肩や背中など自分では見えにくい部分の花粉を除去してから部屋に入る習慣をつけると、持ち込み量を減らすことができます。花粉が付着しにくい衣類の素材選び
外出時の服装選びも立派な花粉対策になります。花粉が付着しやすい素材とそうでない素材があることをご存知でしょうか。ウールやフリース、ニットなどの凹凸があり毛羽立った素材は、花粉が繊維の奥に入り込みやすく、一度つくと落ちにくいという特徴があります。一方で、トレンチコートやダウンジャケット、ウインドブレーカーのように、表面がツルツルとした化学繊維(ポリエステルやナイロンなど)の素材は、花粉が付着しにくく、付着しても払い落としやすい性質があります。花粉シーズン中は、一番外に着るアウターをツルツルした素材のものにするだけで、家に持ち帰る花粉の量を大幅に減らすことができます。静電気を抑えて付着を防ぐスプレーの活用
衣類への花粉付着の大きな原因の一つが静電気です。静電気が発生すると、まるで磁石のように空気中の花粉を吸い寄せてしまいます。そこで活用したいのが「静電気防止スプレー」や「花粉ガードスプレー」です。外出前にコートやマフラー、帽子のほか、カバンや靴にもスプレーをしておくと、静電気の発生を抑えて花粉の付着をブロックしてくれます。ドラッグストアなどで手軽に購入できるため、玄関に一本置いておき、出かける前の習慣にすることをおすすめします。特に乾燥する日は静電気が起きやすいため、念入りにスプレーしておくと安心です。家に入ってしまった花粉を除去する掃除について

どんなに対策をしていても、完全に花粉の侵入を防ぐことは難しいものです。そこで重要になるのが、侵入してしまった花粉を効率よく除去する「掃除」です。しかし、いつもの掃除方法では、かえって花粉を部屋中に撒き散らしてしまう恐れがあります。ここでは、花粉を確実に除去するための正しい掃除の手順とポイントを紹介します。
掃除機をかける前に必ず行うべき工程
「掃除=掃除機」と思い浮かべる方が多いかもしれませんが、花粉対策において、いきなり掃除機をかけるのはNG行為です。掃除機の排気によって床に落ちていた花粉が空中に舞い上がり、部屋中に拡散してしまうからです。一度舞い上がった花粉は数時間かけてゆっくりと落ちてくるため、掃除をしたつもりでも空気は汚れたままになってしまいます。正しい手順は、まず「拭き掃除」から始めることです。フローリングワイパーにウェットシートやドライシートを装着し、床の花粉を静かに拭き取ります。あるいは、固く絞った雑巾での水拭きも非常に効果的です。水分を含んだ花粉は重くなり舞い上がりにくくなるため、確実に除去することができます。掃除機をかけるのは、拭き掃除が終わった後に仕上げとして行いましょう。花粉掃除に最適な時間帯とその理由
掃除をする「時間帯」も重要なポイントです。花粉は空気中を漂っていますが、人の動きがない夜間にゆっくりと床に落下して蓄積します。つまり、朝起きた直後が、床に花粉が最も溜まっている状態なのです。家族が活動を始めて歩き回ると、再び花粉が舞い上がってしまいます。そのため、花粉掃除のゴールデンタイムは「朝一番」です。朝起きてすぐ、誰かが歩き回る前にフローリングワイパーでサッと床を拭く。これだけで、夜の間に落ちてきた花粉をごっそりと取り除くことができます。朝が難しい場合は、帰宅直後など、家を空けていて人の動きがなかったタイミングを狙うのが効果的です。場所別に見る効果的な掃除のポイント
花粉が溜まりやすい場所は床だけではありません。特に注意したいのが、テレビやパソコンなどの家電製品周りです。静電気を帯びやすいため、空気中の花粉を引き寄せて黒くホコリのように積もります。ここはハンディモップなどでこまめに拭き取りましょう。また、カーテンも盲点です。窓際で外気に触れるため花粉が付着しやすく、開け閉めするたびに室内に花粉を撒き散らす原因になります。カーテンは定期的に洗濯するか、粘着クリーナーで表面の花粉を取り除くことが大切です。そのほか、洗面所や脱衣所も、服を脱ぐ際に花粉が落ちるため、床に多くの花粉が落ちているスポットです。これらの場所を重点的にケアすることで、家全体の快適度が大きく向上します。花粉を舞い上げないための室内環境づくりとは?

掃除で除去することに加え、空気中に漂う花粉をコントロールする環境づくりも効果的です。ここでは、家電を賢く活用して、花粉が舞い上がりにくく、かつ除去しやすい空間を作るテクニックを紹介します。
加湿器を使って花粉を床に落とす技術
乾燥した空気の中では、花粉は軽いため長時間フワフワと漂い続けます。そこで役立つのが「加湿器」です。室内の湿度を適度(50%~60%程度)に保つと、空気中の花粉が水分を含んで重くなり、床に早く落下するようになります。床に落ちてしまえば、吸い込むリスクが減るだけでなく、先ほど紹介した拭き掃除で簡単に取り除くことができます。加湿は喉や鼻の粘膜を守る効果もあるため、花粉症対策としては一石二鳥です。ただし、湿度が70%を超えるとカビやダニ発生の原因になるため、湿度計を見ながら調整しましょう。空気清浄機の効果を最大化する設置場所
空気清浄機は花粉対策の強力な味方ですが、置き場所によってその効果は大きく変わります。効果的な設置場所の一つは「玄関」です。侵入経路の最前線で花粉を待ち構え、リビングへの持ち込みを防ぎます。もう一つの推奨スポットは「部屋の出入り口」や「エアコンの対角線上」です。エアコンの気流に乗って循環する花粉を効率よくキャッチできる位置を選びましょう。また、花粉は低い位置に溜まりやすいため、空気清浄機は棚の上ではなく床に直接置くのが基本です。風量は「自動」でも良いですが、帰宅直後や掃除のときなど花粉が舞いやすいタイミングでは「強」や「花粉モード」に切り替えて、一気に浄化することをおすすめします。花粉シーズンの洗濯物はどのように扱うべきか?
洗濯物を外に干すと、濡れた繊維に花粉が吸着し、取り込む際に大量の花粉を家に入れてしまうことになります。花粉シーズン中は、洗濯のルールを少し変える必要があります。部屋干しを基本とする
この時期の洗濯物は、潔く「部屋干し」に切り替えるのがベストです。環境省の実験でも、外干しの洗濯物は部屋干しに比べて圧倒的に多くの花粉が付着することがわかっています。しかし、部屋干し特有の生乾き臭が気になるという方も多いでしょう。早く乾かすコツは、洗濯物の間隔をこぶし一つ分以上空けて風の通り道を作ることです。そして、サーキュレーターや扇風機で風を当てたり、衣類乾燥除湿機を活用したりして、乾燥時間を短縮させましょう。浴室乾燥機がある場合は、狭い空間で効率よく乾かせるため積極的に利用したい設備です。どうしても外に干したい場合は、花粉の飛散が少ない早朝から午前中の短い時間に限定し、取り込む際はしっかり払うか掃除機で吸い取りましょう。参考:環境省 花粉症環境保健マニュアル
【関連記事】花粉の時期の洗濯物はどうすればいい? おすすめの部屋干し方法や外干しでのポイントも解説|Libook|近鉄不動産株式会社
柔軟剤を活用した静電気対策の効果
洗濯の際に「柔軟剤」を使うことも、実は有効な花粉対策になります。柔軟剤には衣類を柔らかくするだけでなく、繊維の表面を滑らかにして摩擦を減らし、静電気の発生を抑える効果があります。静電気が起きにくくなれば、外出中に服に付着する花粉の量を減らすことができますし、部屋干しで乾いた後の衣類に室内のホコリや花粉がつくのも防げます。まとめ
この記事の要点をまとめます。- ●換気や洗濯物、帰宅時の衣類が主な侵入経路となるため、まずは「入れない」対策を徹底する。
- ●掃除はいきなり掃除機を使わず、朝一番の「拭き掃除」で床に落ちた花粉を取り除くのが鉄則。
- ●加湿器で花粉を落とし、空気清浄機で除去し、柔軟剤で付着を防ぐといった合わせ技で効果を高める。
花粉との戦いは、いかに家の中に「逃げ場」を作るかが勝負です。侵入経路を断ち、正しい手順で掃除を行えば、辛い症状は確実に軽減できます。まずは玄関での上着オフと、朝イチの掃除から始めてみてください。あなたの家が、深呼吸できる快適な空間になりますように。















