花粉の時期に気をつけたいのが、換気の方法です。いつものように窓を開けて換気をおこなうと、花粉も一緒に入ってアレルギー症状が出てしまいます。
花粉の時期でも十分な換気をして室内で快適に過ごすためには、花粉を入れない対策と、室内に入ってしまった花粉の除去が必要です。家電を活用した花粉対策もご紹介しますので、花粉症に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
花粉症シーズンでも換気は必要
花粉が飛散する時期にはあまり窓を開けたくないものです。ですが、室内に風を通さないままでいると、湿気がこもりカビやダニが発生しやすくなったり、呼吸器疾患などを起こしてしまう可能性があるため換気は必要です。
さらに、換気が不十分だと二酸化炭素が滞留しやすくなり、空気環境が悪化します。二酸化炭素濃度が高まると、集中力が低下おそれもあるため注意が必要です。
花粉時期の換気で重要なポイントは室内に入れないこと
部屋の換気は、快適で健康的な毎日を送るために必要ですが、花粉時期はついおろそかになってしまいます。しかし、室内に花粉をいれない対策を取ることで、花粉の影響を最小限に抑えながら換気が可能です。
24時間換気システムのフィルターを見直す
24時間換気システムのあるご家庭は、花粉を室内にいれないために、まずはフィルターを花粉対策用のものへ切り替えましょう。これまでどおり空気を取り込みつつ、室内へ入る花粉の量を大幅に抑えられます。24時間換気システムは、空気を自動的に循環させて室内を清潔に保つ一方、そのままでは外気と一緒に花粉も取り込んでしまう点が問題です。花粉対策用として販売されている厚手のフィルターを使えば、24時間換気を作動させていても花粉の侵入を抑制できます。通常のフィルターより値段は高くなりますが、花粉症に悩む方にはおすすめです。また、換気用フィルターは効果を継続できるよう、定期的に交換しましょう。
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窓を開ける際は網戸やカーテンを利用する
窓を開ける際の花粉対策として有効なアイテムは、網戸やカーテンです。換気のためには、窓を開けることは欠かせません。網戸やカーテンによって花粉を吸着させ、室内に侵入するのを防ぎます。花粉の侵入をさらに抑えるために、網戸用のフィルターやレースカーテンを利用するのもおすすめです。レースカーテンは繊維に縮み加工が施されているのでしてあり、花粉を捉える効果があります。ただし、レースカーテンの外側に花粉が付着してしまうので、小まめに洗濯をしましょう。
ただし、網戸やカーテンを使用していても、窓を全開にするのはおすすめできません。窓を開ける幅は10センチ程度に留めて、網戸とカーテンをしっかりと閉めておきましょう。[注1]
窓開け換気は花粉飛散のピーク時間を避ける
窓を開けて換気する際、部屋のなかに花粉をいれないためには、時間帯も重要なポイントです。花粉がもっとも飛散する時間帯を避けることで、快適に換気できます。換気に適した時間は、深夜から朝10時にかけてです。比較的花粉が飛散していない時間帯なので、朝起きてすぐの換気をおすすめします。
花粉が飛散する時間帯は、一日のなかで2回あります。まずは午前10時頃からお昼すぎまでです。早朝にスギ林から放出された花粉が、数時間かけて都心部に流れ込んできます。
午後になると花粉は一旦落ち着きますが、夕方ごろから再び増加します。人の移動にともない花粉が舞い上がるため、窓を開けての換気は控えましょう。
室内に入った花粉への対策
室内に滞留する花粉もアレルギー症状の原因となります。すでに室内に入った花粉への対策も重要なポイントです。
床をこまめに掃除する
室内の花粉対策としてもっとも重要なのは、床をこまめに掃除することです。どれだけ気をつけていても、換気時はもちろん、人の出入りによって花粉は室内に入ってきてしまいます。花粉は時間が経過すると床に落下するため、室内に入った花粉の除去には床掃除が効果的です。掃除機を使うと花粉が舞い上がってしまうため、まずはウェットタイプのフローリングシートやかたく絞った雑巾で床を拭きましょう。床に残った花粉をそのままにしておくと、人や風の流れで舞い上がり、アレルギー症状を引き起こすおそれがあります。とくに「帰宅すると症状がひどくなる」と感じる方は、徹底した床掃除がおすすめです。
湿度を上げて花粉を飛散させない
室内の花粉対策として、湿度を上げることも効果的です。花粉は水分を含むと重みが増して床に落ちるうえ、あまり舞い上がりません。また、目のかゆみやくしゃみなど、粘膜の乾燥により引き起こされるアレルギー症状を緩和する効果もあります。湿度の目安は40〜60%です。ただし、床に落ちた花粉はいずれ乾くので、あわせてこまめな床掃除もおこないましょう。
空気清浄機とエアコンを活用する
室内に入った花粉を、空気清浄機とエアコンで除去する方法もあります。エアコンが作り出す気流と、空気清浄機のフィルター機能を活用した花粉対策です。エアコンと空気清浄機は向かい合うように置きます。エアコンから吹き出す気流の先に空気清浄機をセットし、花粉を受け止めるようにしましょう。気流に乗った花粉は、エアコンの対面にある壁にぶつかり床に集まるため、壁際に空気清浄機を置くと花粉を収集しやすくなります。
空気清浄機の効果的な置き場所
室内での花粉対策に、空気清浄機は有効です。気流の影響で舞い上がった花粉を、空気清浄機で捕まえることで飛散を抑えられます。
空気清浄機をより効率的に活用するための、置き場所や風量についてご紹介します。
空気が入ってくる窓の正面の隅に置く
花粉対策として空気清浄機を使用する場合は、置き場所が重要なポイントです。最適な置き場所は、空気の入り口となっている窓の正面の隅です。
窓を開けると、新鮮な空気とともに花粉も入ってきます。空気の流れによって花粉は隅に滞留するため、花粉が入ってきたらすぐキャッチできるようにしましょう。
また、空気清浄機は窓から少し離して置くのがポイントです。外気と一緒に入ってきた花粉は、ゆっくりと下降します。そのタイミングで空気清浄機が吸い上げてフィルターを通し、きれいな空気を出します。
空気清浄機の吹出口は、窓付近に向けると花粉が拡散しやすくなってしまいます。空気の流れを作って効率的に花粉を吸い上げられるよう、きれいな空気は天井方面に向けて気出しましょう。
換気時は風量を最大にする
空気清浄機を使う際は、風量を最大にするとさらに効果的です。最大風量では、標準モードと比べて約2倍の花粉量を吸い込めます。[注2]空気清浄機は換気の際だけではなく、洗濯物を取り込むときなど窓を開ける際は忘れずに使用しましょう。屋外で払い落としきれなかった花粉も窓際で一掃され、室内の空気環境が整います。
花粉時期の換気は花粉をいれないことと早期除去がポイント
花粉が飛散する時期でも、室内の換気は必要です。換気の際には、アレルギー症状をできる限り引き起こさないよう、花粉対策用の換気フィルターやレースカーテンなどを使って花粉の侵入を防ぎましょう。すでに室内へ入ってしまった花粉は、できるだけ早く取り除くことが大切です。ウェットシートやかたく絞った雑巾などで床をこまめに掃除しましょう。また、空気清浄機を活用すると、より効果的に室内の花粉を除去できます。
在宅の時間を少しでも快適に過ごせるよう、家電の活用や花粉が飛散するピークなどを確認して、念入りな花粉対策を心がけてください。
[注1]環境省 花粉症環境保健マニュアル2022 P27
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf
[注2]ダイキン 花粉シーズンの換気の方法
https://www.daikin.co.jp/air/life/ventilation/pollen