室内の間取りや設備・立地を重視してマンションを選ぶ方は多いのではないでしょうか。廊下はほぼ毎日利用する場所であるため、マンションで暮らす上で重要な共用施設です。
 
そこで今回は、共用廊下の種類やそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。「マンション選びに廊下は重要?」「廊下に違いってあるの?」と疑問を持っている方は、ぜひ参考にしてください。

マンションの共用廊下は2種類ある

マンションの共用廊下は2種類ある
 
マンションの共用廊下には「外廊下」と「内廊下」の2種類あります。自分の部屋につながる廊下は暮らしやすさに関わってくるので、それぞれの特徴を把握しておくことは重要です。外廊下と内廊下について詳しく解説します。

外廊下

外廊下は、名前のとおり建物の外側に面した廊下のことで「開放廊下」と呼ばれることもあります。マンションのほとんどが外廊下なので、イメージしやすいでしょう。また、廊下の外壁がない分メンテナンスにかかる費用が軽くなるなど、管理費や修繕費を抑えられます。

内廊下

内廊下は建物の内側に設置されている廊下のことで、一度建物の中に入ってしまえば外気に触れることはありません。
空調が効いていたりカーペット敷きになっていたりなど、高級感を演出しているマンションもあり、快適に自分の部屋まで移動できます。高級マンションやタワーマンションで採用しているケースが多く、物件の価格帯は高い傾向です。

外廊下タイプのマンションのメリット3選

外廊下タイプのマンションのメリット3選
 
まずは、一般的なマンションで多く見られる外廊下のメリットについて解説します。外廊下は通気性の良さとコスト面で優れています。

通気性が良く換気しやすい

外廊下は通気性が良く、ドアを開けるだけで換気ができる点がメリットです。空気の入れ替えがしやすく、部屋にこもった湿気や臭いを取り除けるので快適に過ごせるでしょう。さらに、こまめに換気をすることでウイルス感染や風邪などの予防にもつながります。
 
換気をする際は、廊下側とベランダ側の窓を同時に開けると空気の通り道ができるので効率的です。

災害時の避難経路を確保しやすい

災害時にベランダと外廊下の両側から避難できるため、内廊下よりも経路を確保しやすいです。また、外廊下は風通しが良いため災害時に煙が充満しにくく、視界が悪くなったり一酸化炭素中毒になったりするのを防ぎます。
 
内廊下より避難しやすいため、逃げ遅れなどのリスクを減らせるでしょう。このように、避難経路を考慮する場合は外廊下のマンションの方が安心できます。

コストが抑えられる

外廊下のマンションは、毎月の管理費や修繕費などのコストを安く抑えられます。例えば、日中は太陽光が差し込むので電気をつける必要がありません。通風があるので空調も不要です。また、廊下が外側に設置されている分、廊下の外壁が不要なためメンテナンス費もその分かかりません。
 
そのため、住居にかかる費用を下げたい方は外廊下のマンションを選ぶと良いでしょう。内廊下のマンションよりも物件数が多いので、理想の物件を見つけやすい点もメリットです。

外廊下タイプのマンションのデメリット3選

外廊下タイプのマンションのデメリット3選
外廊下は外に面している分、外気温を直に感じたり設備が傷みやすかったりします。ここでは、外廊下のデメリットを詳しく解説しますので、メリットと比較した上で検討してください。

暑さ寒さを感じやすく虫の侵入対策も必要

外廊下のマンションは、外気の影響を受けやすい点がデメリットです。玄関が直接外につながっているため、夏は外に出た瞬間から暑さを感じ、冬はドアを開けただけで冷たい風が入ってくるでしょう。
 
また、内廊下に比べて虫が侵入することが多いです。時には家の中に入り込んでくることがあるので、虫対策が必要になります。

家への出入りが外から見られてしまう

外廊下のマンションの場合、外から玄関が見える状態なので誰が住んでいるのかや出入りの時間・生活の様子などを他人に把握されやすくなります。
 
1階や2階の場合は上層階よりも、空き巣などの被害にあうリスクが高いため備えが必要です。特に、一人暮らしをする女性や小さい子どもがいるご家庭は注意しましょう。

玄関ドアや廊下の手すりが傷みやすい

外廊下は外気の影響を受けやすいため、玄関ドアや廊下の手すり・壁などが傷みやすいです。また、外廊下は外気だけではなく天候による影響も受けます。雨や雪などが吹き込んでくるので、内廊下に比べて傷むスピードは早くなります。
 
廊下に砂ぼこりが溜まったりドアが日焼けしたりして、見た目が損なわれることもあります。設備の傷み具合によってはメンテナンスが必要になり、コストがかかってしまうでしょう。

内廊下タイプのマンションのメリット3選

内廊下タイプのマンションのメリット3選
 
ここでは、ハイグレードマンションやタワーマンションで採用されている内廊下のメリットについて解説します。廊下が建物の中にあるため、セキュリティ面や快適さに優れています。ホテル気分を味わえるので、生活の質を重視している方に向いているでしょう。

ホテルに住んでいるような高級感を得られる

内廊下のマンションは、ホテルのような高級感のある内装になっている物件が多いです。廊下にはカーペットが敷いてあり、足音が響くことはほとんどありません。小さい子どもがいるご家庭や帰宅時間が遅い方でも、足音の心配をする必要がなくなるでしょう。
 
またBGMが流れていたりオシャレな照明が設置されていたりします。このようなラグジュアリーな雰囲気は、住んでいて高い満足度を得やすいです。

プライバシーが守られセキュリティ面に強い

建物内に廊下が設置されているため、外部からは中の様子を見られることはありません。そのため、外出の時間や住んでいる部屋を把握されにくく、プライバシーが守られます。
 
さらにオートロックや防犯カメラを設置している物件の場合は、不審者が侵入しにくくなるためより一層安心できます。一人暮らしをする女性や小さい子どもがいる家庭は、外部の視線を気にすることなく安全に暮らせるでしょう。

空調が管理されていて快適

内廊下は自然に換気ができないため、空調が管理されているケースが多いです。基本的には24時間稼働し続けており、冷暖房も常に効いている状態です。そのため、玄関のドアを開けても快適な温度が保たれており、快適に移動できます。
 
また、天候の影響を受けにくい点もメリットです。雨や雪が廊下に吹き込んでくることがないため、廊下や玄関が濡れることもありません。

内廊下タイプのマンションのデメリット3選

内廊下タイプのマンションのデメリット3選
 
内廊下のマンションは快適に暮らせる分、管理費が高かったりルールが厳しかったりするので、日々の費用や規約を確認することが重要です。ここでは内廊下のデメリットについて詳しく解説します。

気圧差でドアの開閉が重くなる

内廊下のマンションは気密性が高いため快適に過ごせますが、気圧差でドアの開閉が重くなることがあるので注意が必要です。
 
室内では、外の空気を給気口から取り入れて、換気扇やレンジフードなどの排気口から排出しています。給気より排気のパワーが上回ると、室内の空気が減って気圧が下がります。
 
その結果、外の空気が室内に入ろうとしてドアを押し付けてしまうので、開閉が重くなってしまうのです。特に女性やご高齢の方・子どもなどは、ドアを開けるのに苦労することがあるでしょう。

管理費が高い

内廊下のマンションは、維持管理費や修繕費が高い傾向があります。
例えば、内廊下の空調は24時間稼働していることが多いです。
 
また、廊下側から光が入ってこないため廊下側の居室は日中も照明が必要となります。空調や照明によって快適に過ごせますが、電気代がかかるため居住者の負担が増えます。廊下にカーペットが敷いてある場合は、日々の清掃や張替えなどにもお金がかかります。
 
ホテルのようなラグジュアリー感を維持するには、このようにさまざまなコストがかかるため、予算を考慮して物件を選ぶ必要があります。

外廊下に比べ制限が多い

内廊下のマンションは、外廊下に比べて制限が多いことも特徴です。例えば「置き配が禁止」「玄関のドアを開放して換気してはいけない」など、高級感や快適な空間を守るために制約を設けています。
 
マンションによって規約は異なるので、しっかりと確認してから選ぶようにしましょう。
 

共用廊下にも着目してマンションを選びましょう

共用廊下にも着目してマンションを選びましょう
 
マンションの廊下には「外廊下」と「内廊下」の2種類あり、それぞれ異なった特徴があります。
 
外廊下は、明るい日差しや外の空気を部屋の中に取り入れやすいです。また、玄関のドアを開けるとすぐ外につながるため開放感があります。内廊下と比較すると、空調や照明・音響などの設備が少ないため、維持管理費や修繕積立金が抑えられるところもポイントです。
 
一方で内廊下は、外部から中の様子を見られることがないため、プライバシーを確保しやすいです。そのため女性や小さい子どもがいる家庭でも安心して生活できます。また空調が効いていたりBGMが流れていたりなど、ホテルのような高級感を味わえる点もポイントです。管理維持費はかかりますが、生活に対する満足度は高いでしょう。
 
それぞれにメリットやデメリットがあるので、しっかり把握した上で比較検討することが重要です。見逃しがちな共用廊下にも着目し、自分に合ったマンションを選びましょう。