橋爪
かつて船場には、繊維や小間物などさまざまな「問屋街」がストリートごとにできていましたけども、ここ20年ほどはかなり空洞化しまして、立ち退いた建物のあとにはコインパーキングなどになり、空き地がたくさん見えていた。そこに新しいマンションが続々とできて、今は「住んで働いて楽しむ街」に変わろうとしています。最近の船場の印象は、いかがですか。
光井
産業構造の変革によって船場からいろんな要素が抜けてきた、一方で抜けたことによって都心居住/都心生活の新しい可能性を、実はここで体現できる場所になった。そういう面白い街なんじゃないか、と思っています。
大阪の街は昔から柔軟に姿をどんどん変えていますし、お堀を掘って水の町になったり、商業の町になったり、いろんな変化を経てここまで成長してきたんですが、本当にダイナミックに姿を変えることができる力を持った街だな、と。そういった意味で船場も、大大阪時代を象徴する場所であったり、ファッションの先端であった場所が、今度は歩いて暮らせる街に変わっていくということは、今の時代にとって非常にシンボリックな出来事だと思います。
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「ウォーカブル推進都市」は、国土交通省による「まちなかウォーカブル推進プログラム」に共鳴し、ともに取り組みを進める都市を指す。官民連携による「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の実現を目指している。2019年の時点で、全国202市町が賛同。