戸建ての二階や三階が暑い5つの原因! 7つの対策とリフォームで解決する方法を紹介

戸建ての二階や三階が暑い5つの原因! 7つの対策とリフォームで解決する方法を紹介
念願のマイホームを手に入れたものの、「戸建ての夏はこんなに暑いのか」「特に上の階が蒸し風呂のようで夜も眠れない」と悩んでいませんか。夏の厳しい暑さは、不快なだけでなく、睡眠不足や集中力の低下、さらには熱中症など、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があり、早急な対策が必要です。エアコンをつけ続けてもなかなか涼しくならず、電気代ばかりが上がっていく状況は避けたいものです。
戸建ての住宅は、構造上どうしても最上階に熱がこもりやすくなります。しかし、その原因を正しく理解し、適切な対策を講じることで、夏の室内環境を大きく改善できます。
この記事では、戸建ての上の階が暑くなる主な原因から、今日からすぐに実践できる手軽な対策、さらには根本的な解決につながるリフォームまで、具体的な方法を分かりやすく解説します。家族みんなが快適に過ごせる住まいづくりのために、ぜひ参考にしてください。

戸建ての上の階が暑い5つの原因

戸建ての上の階がなぜ暑くなりやすいのか、その主な原因を5つご紹介します。ご自身の住まいに当てはまる項目がないか確認してみましょう。原因を知ることが、効果的な対策への第一歩です。
戸建ての上の階が暑い5つの原因

暖かい空気が上昇するため

暖かい空気は、冷たい空気よりも軽くなる性質があります。そのため、日中の活動や調理などで暖められた空気は、自然と上昇して最上階に溜まっていきます。特にリビング階段や吹き抜けのある開放的な間取りの住宅では、この傾向がより顕著に現れます。せっかくエアコンで下の階を冷やしても、その冷気は下に留まり、暖気だけが上の階へと移動してしまうのです。
 

屋根から太陽光の熱が伝わるため

屋根は、家の中で最も太陽光にさらされる場所です。真夏の強い日差しによって熱せられた屋根は非常に高温になり、その熱が屋根裏空間に伝わります。夏場の屋根裏は60℃を超えることも珍しくありません。この熱が天井を介してじわじわと最上階の室内に伝わることで、室温が上昇します。屋根に蓄えられた熱は夜になってもなかなか放出されないため、夜間の寝苦しさの大きな原因となります。

窓から日光が直接部屋に入るため

上の階の部屋は、下の階に比べて周囲の建物や樹木による影ができにくく、太陽光が直接窓から差し込む時間が長くなります。窓から入る直射日光は「日射熱」と呼ばれ、室内の温度を上昇させる大きな要因です。特に大きな窓がある部屋や、西向きの日当たりの良い部屋では、日射の影響を強く受けやすくなります。カーテンを閉めていても、熱そのものは室内に入り込む場合が多いです。

ベランダからの熱が照り返すため

上の階にベランダやバルコニーが設置されている場合、その床面も暑さの原因となり得ます。コンクリートや濃い色の防水加工が施されたベランダは、太陽光を吸収して非常に高温になります。その熱が「照り返し」としてベランダに面した窓や壁に当たり、隣接する部屋の室温をさらに上昇させるのです。窓際にいると、もわっとした熱気を感じる場合は、この照り返しが影響している可能性があります。

室内間の通気が途絶える

上の階の各部屋は、プライバシー確保のためにドアを閉めていることが多いのではないでしょうか。しかし、ドアを閉め切っていると空気の流れが止まってしまいます。窓や屋根から伝わった熱や、下の階から上昇してきた暖かい空気が室内に滞留し、逃げ場を失ってしまいます。この熱のこもりも、最上階の部屋を蒸し暑くする一因です。空気が循環しないと、エアコンをつけても部屋全体が均一に涼しくなりにくい状態に陥ります。
 

戸建ての上の階の暑さを軽減する7つの対策

戸建ての上の階の暑さを軽減する7つの対策
ここからは、戸建ての上の階の暑さを和らげるための具体的な対策を7つご紹介します。専門的な知識がなくても手軽に始められるものから、効果の高いものまで解説しますので、ご自身の状況に合わせて試してみてください。
戸建ての上の階の暑さを軽減する7つの対策

遮熱カーテンやブラインドを設置する

窓からの日射熱を手軽に防ぐ方法として、遮熱カーテンやブラインドの設置が挙げられます。遮熱カーテンは特殊な加工が施された厚手の生地で、窓から侵入する熱や紫外線を抑制する効果が期待できます。同様に、断熱効果のあるブラインドも有効です。ただし、これらは室内側に設置するため、窓とカーテンの間で熱がこもり、カーテン自体が熱を持ってしまうなど、遮熱効果には限界があることも理解しておく必要があります。
【関連記事】断熱カーテンなら1年中快適に過ごせる?! メリットや、遮熱・防寒カーテンとの違いを解説|Libook|近鉄不動産株式会社
 

すだれを設置する

すだれやよしずを窓の外側に設置するのは、昔ながらの知恵として非常に効果的な方法です。カーテンやブラインドが室内で熱を受け止めるのに対し、すだれは窓の外で日差しを遮ります。これにより、窓ガラス自体が熱くなるのを防ぎ、室内への熱の侵入をより強力に抑制できます。ホームセンターなどで手軽に入手できますが、天然素材のものは劣化が早く、強風で破損する可能性もあるため、しっかりと固定するなどの工夫が必要です。
 

窓に遮熱フィルムを張る

窓ガラスに直接貼り付ける遮熱フィルムも、効果的な日射対策の一つです。太陽の日射熱を反射・吸収することで、室内の温度上昇を抑えます。マジックミラーのように外から室内が見えにくくなるタイプや、ガラスの透明性を損なわずにUVカットや遮熱ができる高機能なタイプなど種類は様々です。日差しは取り入れつつ暑さだけを軽減したい場合に適していますが、気泡を入れずにきれいに貼るには少しコツが必要です。
 

緑のカーテンを作る

ゴーヤやアサガオといったつる性の植物を窓の外やベランダで育て、「緑のカーテン」を作るのもおすすめです。植物の葉が物理的に日差しを遮るだけでなく、葉から水分が放出される「蒸散作用」によって周囲の温度を下げる効果も期待できます。見た目も涼しげで、植物を育てる楽しみや、ゴーヤであれば収穫の楽しみも得られます。ベランダや軒先にネットを張り、窓を覆うように設置すると効果的です。
 

こまめに換気を行う

室内にこもった熱を外に逃がすためには、こまめな換気が基本です。特に効果的なのは、空気の通り道を作ることです。対角線上にある2ヶ所の窓を開けるなど、空気の入口と出口を意識すると、効率良く室内の空気を入れ替えられます。外の気温が下がる朝晩の涼しい時間帯を狙って換気を行うと、日中に溜まった熱を排出し、快適な状態にリセットできます。
 

サーキュレーターで空気を循環させる

エアコンを使用する際に、ぜひ併用したいのがサーキュレーターです。暖かい空気が溜まりがちな天井や、冷たい空気が滞留する床付近に向けてサーキュレーターで風を送ることで、室内の空気が循環し、温度のムラを解消できます。これによりエアコンの冷気が部屋全体に効率的に行き渡り、設定温度を高めにしても快適に感じられるため、電気代の節約にも繋がります。
 

ベランダにウッドパネルや人工芝を敷く

ベランダの照り返しが気になる場合は、床面にウッドパネルや人工芝を敷くことで対策できます。コンクリートの床面に直接日光が当たるのを防ぎ、蓄熱を大幅に減らせます。また、定期的に打ち水をするのも効果的です。水が蒸発する際の気化熱によって、ベランダ周辺の温度が下がり、体感温度も涼しく感じられます。布製のシェードを設置して日陰を作るのも、照り返し対策として非常に有効です。
 

リフォームでできる戸建ての暑さ対策

日々の対策だけでは解決が難しい場合、リフォームによって根本から暑さの原因を取り除くことも有効な選択肢です。初期費用はかかりますが、長期的に見れば光熱費の削減や快適性の向上といった大きなメリットがあります。ここでは、効果の高いリフォーム方法を3つご紹介します。
リフォームでできる戸建ての暑さ対策

断熱材の追加・交換

屋根からの熱伝導を根本的に解消するには、屋根裏や天井に断熱材を追加したり、より高性能なものに交換したりするリフォームが最も効果的です。具体的には、グラスウールやセルローズファイバーといった断熱材を隙間なく敷き詰めたり、現場で発泡させるウレタンフォームを吹き付けたりする方法があります。同時に壁の断熱性能を見直すことや、気密性を高める工事を並行して行うと、家全体の断熱性が飛躍的に向上し、夏涼しく冬暖かい住まいを実現できます。
 

内窓の設置

窓からの日射熱や外気温の影響を大幅に軽減するには、内窓(二重窓)の設置がおすすめです。既存の窓の内側にもう一つ窓を取り付けることで、窓と窓の間に空気の層が生まれます。この空気層が断熱材の役割を果たし、熱の出入りを効果的にブロックします。特に、特殊な金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」の遮熱タイプを選べば、夏の日差しを強力にカットしつつ、冬は室内の暖かさを逃がしません。比較的簡単な工事で設置できる点も魅力です。

換気・空気循環設備の設置

室内にこもりがちな熱気を効率的に排出するため、換気設備を設置するリフォームも有効です。例えば、最上階の天井に「換気排熱ファン」を取り付ければ、天井付近に溜まった最も熱い空気を強制的に屋外へ排出できます。また、デザイン性の高い「シーリングファン」を設置すれば、サーキュレーターと同様に室内の空気を循環させ、温度のムラを解消できます。エアコンと併用することで、冷房効率を大きく高めることが可能です。
【関連記事】住宅にとって重要な断熱とは? メリットや重要なポイントも解説|Libook|近鉄不動産株式会社
 
戸建ての暑さを軽減するにはリフォームも検討してみましょう
戸建ての暑さを軽減するにはリフォームも検討してみましょう
戸建ての夏の暑さは、すだれやサーキュレーターといった日々の工夫で和らげることができますが、根本的な解決を目指すなら断熱リフォームが非常に効果的です。ご自身の住まいの状況や予算に合わせて最適な対策を選び、家族全員が健康で快適に過ごせる居住空間を実現しましょう。