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注目の展覧会が多彩なジャンルで目白押し

10周年記念の展覧会が行われるあべのハルカス美術館をはじめ、
大阪・京都・奈良・兵庫・滋賀で2024年春夏に行われる注目の展覧会をご案内。
一度はその名を聞いたことのある巨匠たちの作品をたっぷり堪能してみませんか。


あべのハルカス美術館

あべのハルカス美術館開館10周年記念
円空―旅して、彫って、祈って―
2/2(金)~ 4/7(日)

関西での大規模な円空展は約20年ぶり
修験僧として旅をしながら神仏を彫り続けた円空。修行の旅に生涯を捧げ、人々のために祈りを込めて仏を彫り、生涯に12万体の神仏を彫る誓願を立てたといわれています。謎の多い生涯ですが、優しく微笑む観音像、迫力に満ちた護法神像など、5千体を超える神仏の像が生きた証として今に伝わり、人々に愛されています。本展では約160体の円空仏が一堂に集まり、初期から晩年までの代表作を通じて創造の足跡をたどります。

[時]火~金曜10:00~20:00/月曜・土日祝10:00~18:00
※入館は閉館30分前まで

[料]一般1,800円

徳川美術館展
尾張徳川家の至宝
4/27(土)~ 6/23(日)

豪華絢爛!選りすぐりの名品が大阪に
尾張徳川家に伝えられた大名道具を有する徳川美術館。その所蔵品は家康の遺品「駿府御分物」をはじめ、歴代当主や夫人たちの遺愛品など一万件余りにのぼります。本展では、貴重なコレクションから選りすぐりの名品を紹介。中でも、現存最古の源氏絵である国宝「源氏物語絵巻」と、三代将軍家光の長女 千代姫が尾張徳川家に嫁ぐ際に持参した国宝「初音の調度」といった日本を代表する名品も特別公開されます。

[時]火~金曜10:00~20:00/月曜・土日祝10:00~18:00
※入館は閉館30分前まで

[休]5/7(火)、5/27(月)

[料]一般1,800円

あべのハルカス美術館開館10周年記念
広重 ―(すり)(きわみ)
7/6(土)~ 9/1(日)

国民的な浮世絵師の代表作が一堂に
北斎とともに浮世絵版画の世界に風景画と花鳥画のジャンルを確立し、抜群の知名度と人気を誇る広重。実は意外にも大規模かつ総合的な展覧会は近年開催されておらず、本展では風景画を中心に、初期から晩年までの広重の画業を極上の作品を通じて総覧します。「東海道五拾三次 (保永堂版 )」「木曾海道六拾九次」「名所江戸百景」など、 各シリーズの代表作を一堂に会し、あまり知られていない魅力的な作品も展示。 広重のトータルなイメージを再構築します。

[時]火~金曜10:00~20:00/月曜・土日祝10:00~18:00
※入館は閉館30分前まで

[休]8/5(月)

[料]一般1,900円

あべのハルカス美術館

高さ300mの超高層ビル「あべのハルカス」16階にあり、国宝・重要文化財も展示可能な本格的な美術館。2024年3月に開館10周年を迎え、記念キャンペーンやイベントが開催されています。近鉄、JR、地下鉄、阪堺電車の各駅からアクセスしやすいターミナル立地に加え、火〜金曜は夜8時まで開館しており、仕事や学校の帰り、お買い物のあとに気軽に立ち寄れるのも大きな魅力。

大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
あべのハルカス16階

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あべのハルカス10周年イベントをご紹介!

2024年3月7日で10周年を迎えた「あべのハルカス」。4/7まであべのハルカス美術館の思い出募集キャンペーンが行われるなど、ホテルや百貨店でも、さまざまな記念イベントが催されています。

あべのハルカス10周年イベント紹介記事はこちら


大阪中之島美術館

モネ 連作の情景
2/10(土)~5/6(月・休)

国内外から貴重な作品が一挙集結
印象派の代表的な画家のひとり、クロード・モネ。自然の光と色彩に対する並外れた感覚を持ち、柔らかい色使いとあたたかい光の表現が印象的です。本展では、国内外のモネの代表作約70点が一堂に会します。モネの代名詞として知られる〈積みわら〉〈睡蓮〉などをモチーフとした「連作」に焦点を当てながら、モネの生涯をたどります。印象派以前の作品で人物画の大作《昼食》など日本初公開の作品も観覧できます。

[時]10:00~18:00(入場は17:30まで)

[休]月曜 ※4/1・15・22・29、5/6は開館

[料]一般2,500円

大阪中之島美術館

1983年に構想され、およそ40年もの月日をかけて2022年2月に待望のオープンを迎えました。黒いキューブ型というこれまでの美術館とは一線を画す外観デザインが印象的で、美術鑑賞をより楽しませてくれる工夫やこだわりが建物内部にたくさん詰まっています。

大阪市北区中之島4-3-1

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大阪中之島美術館の見どころをご紹介!

「地域に開かれた美術館」というコンセプトのもと、1・2階は美術鑑賞以外の目的でも、ふらっと立ち寄れるスペースに。美術館オリジナルの家具も見どころのひとつです。

大阪中之島美術館の見どころ紹介記事はこちら


京都市京セラ美術館

パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命
ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ
3/20(水・祝)〜7/7(日)

日本では約50年ぶりとなるキュビスムの大型展覧会
西洋美術の歴史に大きな変革をもたらしたキュビスム。20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出され、幾何学的に平面化された形によって画面を構成する試みは、抽象芸術やダダ、シュルレアリスムへとつながり、芸術の多様な展開に決定的な影響をもたらしました。本展では、世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリのポンピドゥーセンターの所蔵品から、キュビスムの歴史を語る上で欠くことのできない貴重な作品が多数来日。50点以上もの日本初出品を含めた約130点を通してキュビスムの豊かな展開とダイナミズムが紹介されます。

[時]10:00~18:00(最終入場は17:30まで)

[休]月曜 ※4/29、5/6は開館

[料]一般2,100円

京都市美術館開館90周年記念展
村上隆 もののけ 京都
2/3(土)〜9/1(日)

東京以外では初めての国内⼤規模個展
現代美術の最前線で活躍する村上隆氏の大規模な個展。主に海外を中心に活動してきた村上氏にとって、国内で約8年ぶり、東京以外で初めての大規模個展となります。村上氏が活動初期から深い関⼼を寄せてきた江⼾時代の絵師たちが活躍し、現在もあらゆる芸能と芸術が息づき交わり合う京都を舞台に開催。新たに描きおろした超⼤作をはじめ、代表的なシリーズ、国内初公開作品など、⼤多数が新作となる約170点を堪能することができます。

[時]10:00~18:00(最終入場は17:30まで)

[休]月曜 ※4/29、5/6は開館

[料]一般2,200円

撮影:来田猛

京都市京セラ美術館

2020年春にリニューアルオープン。1933年(昭和8年)に開館した当時の意匠を残しながら、全面ガラス張りのエントランス空間をしつらえるなど、現代的なデザインも加えたリニューアルプロジェクトは、「グッドデザイン・ベスト100」や「JIA日本建築大賞2020」などを受賞し、高く評価されています。

京都市左京区岡崎円勝寺町124

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足をのばして、「京都御苑・鴨川」周辺エリアへ

居心地のよい京都を体感するなら「京都御苑・鴨川」周辺エリアもおすすめです。街中とは思えない、穏やかで落ち着いた雰囲気が漂い、森林浴も楽しめる広々とした京都御苑をはじめ、ゆったりと自然の潤いを感じる鴨川、路地裏にはセンスのよさが伝わる素敵なお店も点在。暮らすように通いたくなる。そんな京都御苑・鴨川周辺の魅力をご紹介しています。

京都御苑・鴨川散歩〜スローな京都時間を満喫〜はこちら


京都国立博物館

特別展 雪舟伝説
―「画聖(カリスマ)」の誕生―
4/13(土)~5/26(日)

雪舟の国宝6件すべてが勢揃い
6件もの作品が国宝に指定され、日本美術史上もっとも重要な画家の一人とされる雪舟。桃山時代の雲谷派や長谷川派、江戸時代の狩野派だけではなく、さまざまな画家たちが雪舟を慕い、その作品に学びながら、新しい絵画世界を切り開いていきました。本展では、雪舟の多様な影響力をたどることで、「画聖」と呼ばれる評価がどのように誕生してきたのか、その過程を見ることができます。

[時]9:00~17:30(入館は17:00まで)

[休]月曜 ※4/29、5/6は開館、5/7休館

[料]一般1,800円

撮影:北嶋俊治

京都国立博物館

1897年(明治30年)に開館。京都の文化財を収集・保管・展示し、数多くの国宝・重要文化財を所蔵しています。明治期の煉瓦造りの本館「明治古都館」と建築家 谷口吉生氏の設計による新館「平成知新館」と趣の異なる2つの建築を愉しむことができます。

京都市東山区茶屋町527

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京都の中心部で古都の魅力を体感

京都の中心地を指す「田の字エリア」の、その真ん中に位置する四条烏丸。大通り沿いには百貨店などの大型商業施設がそろい、一歩路地に入れば、京都の魅力が体感できるさまざまなお店も点在しています。美術鑑賞のあとは、街ナカを散歩しながら、京都を存分に満喫してみませんか。

京都 四条烏丸〜古都の街ナカ散歩〜はこちら


奈良国立博物館 東・西新館

生誕1250年記念特別展
空海 KŪKAI
― 密教のルーツとマンダラ世界
4/13(土)~6/9(日)

奈良国立博物館の総力を挙げた展覧会
衆生救済を願った空海が人々を救うためにたどり着いたのが密教です。空海は中国・唐にわたり、師匠の恵果(けいか)から密教のすべてを受け継いだと言われています。本展は、密教が日本に至った伝来の軌跡をたどり、空海が日本にもたらした密教の全貌を解き明かします。空海が「目で見てわかる」ことを強調した密教の「マンダラ空間」を展示室に展開するほか、国宝・重要文化財を含む様々な作品を通じて、空海と真言密教の魅力が紹介されます。

[時]9:30~17:00(入館は16:30まで)

[休]月曜 ※4/29、5/6は開館、5/7休館

[料]一般2,000円

※会期中、一部の作品は展示替を行います。

なら仏像館外観

奈良国立博物館

明治27年(1894)に完成した「なら仏像館」は、代表的な明治中期の西洋建築とされ、重要文化財に指定されています。仏教美術を中心に、国宝、重要文化財などを含む仏像を多数展示し、飛鳥時代から鎌倉時代までの優れた仏像を数多く観覧することができます。

奈良市登大路町50番地

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奈良への旅におすすめ!近鉄の観光特急「あをによし」

2022年4月に運行を開始した「あをによし」 は、大阪〜奈良〜京都の三都を乗り換えなしで結ぶ観光特急です。大きな窓に、ゆったりとくつろげる座席配置、豪華な内装、特注のシートなど、上質な旅を愉しむことができます。贅沢な移動空間ですが、価格はリーズナブル。 そんな「あをによし」の魅力をレポートしています。

一度は乗っておきたい近鉄 観光特急「あをによし」はこちら


兵庫県立美術館ギャラリー棟

Photo by ©Makoto Murata
Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

キース・へリング展
アートをストリートへ
4/27(土) 〜 6/23(日)

NYから日本初公開作品も来日!
明るく、ポップなイメージで世界中から愛されているキース・ヘリング。「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークを中心に地下鉄駅構内やストリートで混沌とする社会への強いメッセージを発信してきました。31年間の生涯のうちアーティストとしての活動期間は10年程ですが、残された作品に込められたメッセージは今もなお響き続けています。本展は、6mもの大型作品を含む約150点の作品を展示。NYから本展のために日本初公開のサブウェイ・ドローイング5点も出品されます。

[時]10:00~17:30(入場は17:00まで)

[休]月曜(祝日の場合は翌日)

[料]一般2,000円

©Masaki Tada

兵庫県立美術館

多彩な展覧会やイベントを開催するほか、小磯良平や金山平三など兵庫県にゆかりのある作家の作品も展示。安藤忠雄氏が設計した建物も見どころが多く、常設展示室の16mの吹き抜けを行き来する階段や海と山をつなぐ美術館のシンボル「円形テラス」など、複雑多様な空間を体験できます。

神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)

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佐川美術館

吉田泰一郎《サンダース》 2022 年 個人蔵
©2024 Pokémon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
©吉田泰一郎
TM, ®, and character names are trademarks of Nintendo.
撮影 斎城卓

ポケモン×工芸展
―美とわざの大発見―
3/30(土)~ 6/9(日)

ポケモンの個性とアーティストの技を体感
世界中で人気を博す「ポケモン」と「工芸」。接点がなさそうに見える組み合わせですが、ほのおやみず、いわ、くさ、はがね、でんきといったポケモンのタイプは、工芸で使われる素材や制作工程と共通しています。ポケモンと工芸が出会うとどんな化学反応が起きるのか?この問いに現代日本の工芸を代表する20名のアーティストが挑戦。本展では、愛らしいポケモンの姿だけでなく、金工、木工、漆工、ガラス、陶磁、染織など様々なジャンルの工芸を愉しむことができ、ポケモンの個性と合わせてアーティストの優れた技術も見どころです。

[時]9:30~17:00(入館は16:30まで)

[休]月曜 ※4/29、5/6は開館、4/30、5/7は休館

[料]一般1,300円

佐川美術館

滋賀県守山市にあり、琵琶湖を望む美しい自然に囲まれた美術館です。水庭に浮かぶように佇む3棟の建物の姿が美しく印象的。常設展示では、日本画家の平山郁夫、彫刻家の佐藤忠良、陶芸家の樂直入の作品を観覧することができます。

滋賀県守山市水保町北川2891

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関西以外のおすすめの展覧会

民藝 MINGEI
— 美は暮らしのなかにある
4/24(水)〜6/30(日)
世田谷美術館

美しい民藝の品々に出逢える機会
近年、注目を集めている「民藝」。約100年前に思想家・柳宗悦が説いた民衆的工藝を「民藝」と呼び、日常の中にある美を慈しみ、素材や作り手に思いを寄せるコンセプトは、現代の暮らしに身近なものとなりつつあります。本展では、民藝について「衣・食・住」をテーマにひも解き、美しい民藝の品々約150件が展示されます。

[時]10:00~18:00(入場は17:30まで)

[休]月曜  ※4/29、5/6は開館、5/7休館

[料]一般1,700円

世田谷美術館

緑豊かな砧公園の一角に位置し、恵まれた自然を存分に生かして心地よいアートとの出会いの場を提供しています。芸術家が多く在住している地域性を生かし、在住作家の作品調査、研究、収集活動も行われ、ユニークな展覧会も開催。

東京都世田谷区砧公園1-2

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民藝を楽しく豊かに取り込むヒントをご紹介

「民藝 MINGEI — 美は暮らしのなかにある」の見どころのひとつが、「これからの民藝スタイル」を提案するインスタレーション展示です。こちらは、民藝ブームに大きな役割を果たしてきたMOGI Folk Artのテリー・エリスさん・北村恵子さんが収集し、生活で使っているものを展示。現代の暮らしの中に民藝を楽しく豊かに取り込んでいる様子を体感できます。

エリスさんと北村さんのインタビュー記事はこちら