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Museums

話題の美術館やアートスポット、
注目の展覧会を一挙にご紹介。

2022年2月に大阪中之島美術館がオープンし、4月には世界遺産で知られる東京の国立西洋美術館がリニューアルオープン。感染防止対策を考慮しながら訪れておきたい話題の美術館やアートスポット、注目の展覧会をご紹介します。

<今回ご紹介するスポット>
大阪中之島美術館(大阪市北区)
あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)
京都市京セラ美術館(京都市左京区)
国立西洋美術館(東京都台東区)
チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com(東京都江東区)


構想から40年!
待望の美術館がオープン

大阪中之島美術館|大阪市北区

1983年に構想され、およそ40年もの月日をかけて待望の開館を迎えた大阪中之島美術館。真っ黒なキューブ型というこれまでの美術館とは一線を画す外観デザインは、美術館としての存在感を放つと同時に、光の反射を抑えるなど周辺への配慮を意識したもの。「地域に開かれた美術館」というコンセプトのもとで設計され、美術鑑賞をより楽しませてくれる工夫やこだわりが建物内部にもたくさん詰まっています。

大阪中之島美術館の見どころ

建物内は、チケットがなくとも入館できるパブリックなゾーン(1・2階)と有料の展示室(4・5階)で構成されています。フランス語で小径を意味する「パッサージュ」という考え方のもとに、地域に開かれた美術館を具現化。たとえば、1・2階は美術鑑賞以外の目的でも、ふらっと立ち寄れるスペースとなっています。

1階にはカフェレストラン「Musée KARATO」(2022年春開業予定)やデンマーク発のインテリアプロダクトブランド国内直営2号店「HAY OSAKA」が出店。2階は、芝生広場で憩うことができ、ヤノベケンジさんの作品を撮影する人々の姿も。また、1〜5階の壮大な吹き抜けをエスカレーターが交差する景観も圧巻です。

2階から展示室のある4階へ、エスカレーターでおよそ1分30秒をかけて移動。巨大な吹き抜け空間のダイナミックな景観を愉しみながら、美術鑑賞のワクワク感を高めていくことができます。建物内部の見どころでもあるエスカレーターは、日常からアート体験を愉しむ時間への転換装置にもなっているのです。

「美術鑑賞の余韻にゆったり浸ってほしい」という想いから、展示を見た後に5階から4階へ戻る階段はとても緩やかな傾斜に。窓から入り込む溢れんばかりの光を感じることができ、こうした心憎い演出も大阪中之島美術館の魅力です。

展示室では豊富なコレクションを随時、企画展で紹介予定。菅谷館長は「どなたでも気軽に訪れていただける、地域に開かれた美術館であり、大阪ならではの美術に光を当てて発信する役割も果たしていきたい。地域と美術館の新しいあり方を広げていきたいですね」と語ります。

美術館オリジナルの家具も見どころのひとつ。中之島の「N」を象った脚を持つチェアは、触り心地も座り心地も良い素敵なインテリアです。また、案内表示などの英数字と記号は、美術館オリジナルの「中之島フォント」が使用されているので、館内でその愛らしい文字を探してみては。小さなお子さん連れの方でも気軽に訪れ、気分転換できるよう授乳室や子ども用トイレも備えた親子休憩室を2階に備えるなど、「訪れる人にとって居心地の良い場所」をめざした美術館のこだわりを随所に感じることができます。

展覧会情報

アメデオ・モディリアーニ 《少女の肖像》
1915年頃、グレタ・ガルボ・ファミリー・コレクション

開館記念特別展
モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─
2022年4月9日(土)~7月18日(月・祝)

ピカソや藤田嗣治などと共に活躍したイタリア出身のアメデオ・モディリアーニ。35歳で夭折したモディリアーニの作品は、現在も世界中に愛好家がいます。本展では、世界初公開となる《少女の肖像》をはじめ、国内外のモディリアーニ作品約40点を展示。大阪中之島美術館所蔵の裸婦像と同じモデルを描いた作品がベルギーより来日し、大阪で初めての競演が行われます。また、ピカソやシャガール、藤田嗣治などモディリアーニと同時代にパリで活躍した芸術家の作品も紹介。モディリアーニの軌跡と共に、20世紀前期のパリで花開いた新時代の芸術をたっぷり堪能できます。

DATA

[住]大阪市北区中之島4-3-1
モディリアーニ展に関するお問い合わせ:Tel 06-4301-7285(大阪市総合コールセンター 8時〜21時 年中無休)

[時]10:00~17:00 *入場は閉館30分前まで

[休]月曜(5/2、7/18 を除く)[料]一般1,800円

大阪中之島美術館公式サイトはこちら


庵野秀明の世界に浸る
世界初の展覧会!

あべのハルカス美術館|大阪市阿倍野区

近鉄、JR、地下鉄、阪堺電車の各駅からアクセスしやすいターミナル立地を生かした都市型美術館。高さ日本一の超高層ビルとして知られる大阪の観光名所「あべのハルカス」内にあり、国宝・重要文化財も展示可能な本格的な美術館です。今春、注目の展覧会が開催されています。

展覧会情報

庵野秀明展
2022年4月16日(土)~6月19日(日)

興行収入100億円突破の話題作「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の総監督を務めた庵野秀明。本展は、過去・現在・未来にわけて、庵野の活動を余すことなく紹介する世界初の展覧会です。ほとんどの展示が撮影可能で、SNSでシェアしたり、創作の源を垣間見たり、幅広い世代が楽しめる内容となっています。過去をテーマにした展示では、子どものときに影響を受けた特撮作品や、育った家庭環境からメカニズムに興味を持つきっかけとなった物を紹介。同世代の方々はノスタルジックな気分にも浸れるはず。

庵野秀明展の見どころ

『風の谷のナウシカ』1984年公開
©1984 Studio Ghibli・H

『新世紀エヴァンゲリオン』1995年放送
©カラー/Project Eva.

『風の谷のナウシカ』1984年公開
©1984 Studio Ghibli・H

『新世紀エヴァンゲリオン』1995年放送
©カラー/Project Eva.

なかなか見ることのできないスタジオジブリ時代や新世紀エヴァンゲリオンなどの絵コンテを展示。絵コンテは当時の生々しい書き込みも見られ、実際の作品映像と一緒にその舞台裏である資料を見ることができます。また、アマチュア時代の作品も必見。そのクオリティはかなり高く、作品を見て感銘を受けた手塚治虫が庵野を呼び出したという逸話もあるほどです。

※写真は東京会場の様子です。大阪会場の展示作品とは一致しない場合があります
提供 庵野秀明展実行委員会

※写真は東京会場の様子です。大阪会場の展示作品とは一致しない場合があります
提供 庵野秀明展実行委員会

※写真は東京会場の様子です。大阪会場の展示作品とは一致しない場合があります
提供 庵野秀明展実行委員会

※写真は東京会場の様子です。大阪会場の展示作品とは一致しない場合があります
提供 庵野秀明展実行委員会

展示は、学生時代から現在に至る作品の変遷をひとつひとつ丁寧に見ることができる構成で、アニメーターとしての描写力や監督としての構成力などを実感できる内容に。さらに、5/13に公開予定の「シン・ウルトラマン」や2023年3月公開予定の「シン・仮面ライダー」の資料や写真、模型なども展示。まさに過去・現在・未来を余すことなく紹介する展覧会となっています。

DATA

[住]大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階 
Tel 06-4399-9050

[時]火~金10:00~20:00 月土日祝10:00~18:00*入館は閉館30分前まで

[休]4月18日(月)、5月9日(月)
[料]一般1,900円

公式サイトはこちら


新旧の建築美を愉しみ、
兵馬俑をダイナミックに体感!

Photo: Koroda Takeru

京都市京セラ美術館|京都市左京区

2020年春にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館。1933年(昭和8年)に開館した当時の意匠を残しながら、全面ガラス張りのエントランス空間をしつらえるなど、現代的なデザインも加えたリニューアルプロジェクトは、「グッドデザイン・ベスト100」や「JIA日本建築大賞2020」などを受賞し、高く評価されています。「兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」が5月22日まで開催されており、歴史的建築物の魅力とあわせてぜひ愉しみたいものです。

京都市京セラ美術館の見どころ

Photo: Koroda Takeru

Photo: Koroda Takeru

Photo: Koroda Takeru

Photo: Koroda Takeru

地下1階のメインエントランスから大階段を上った先にある「中央ホール」。天井高16mの開放的な空間は、かつて駐留軍に接収された際にバスケットコートとしても使われたほど。白を基調とした意匠に美しい形状の螺旋階段が備わり、撮影スポットとしても人気。日本庭園や新館の東山キューブ、各展示室などをつなぐ役割も果たしています。

Photo: Koroda Takeru

Photo: Koroda Takeru

Photo: Koroda Takeru

Photo: Koroda Takeru

Photo: Koroda Takeru

Photo: Koroda Takeru

開館当時の意匠を愉しむことができる本館2階の西広間。こちらの1階はかつてメインエントランスとして使われ、クラシカルで重厚な趣を今に伝えています。大理石の階段やモザイクタイル、随所に見られる細やかな細工、ステンドグラスや照明器具など、そのひとつひとつを丁寧に見ておきたい空間です。

展覧会情報

兵馬俑坑

日中国交正常化50周年記念
兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~
2022年3月25日(金)〜5月22日(日)

1974年に中国で偶然発見された兵馬俑。実物大の兵士や馬の陶器が2,000年の時を超えて姿を現したニュースに世界中が驚きました。過去最大級のスケールとなる本展は、始皇帝の遺物をはじめ、戦国・漢時代を含む計36体の兵馬俑を展示。日本初公開となり、同じ顔がないとされる将軍俑や国宝級の出土品など約200点を見ることができます。また、紀元前770年の周王朝の遷都から220年の漢王朝の崩壊まで、およそ1,000年にわたる時代の歴史資料も紹介され、古代中国史のドラマを追体験できます。

DATA

[住]京都市左京区岡崎円勝寺町124 
Tel 075-771-4334

[時]10:00~18:00 *入場は閉館30分前まで

[休]月曜(5/2を除く)[料]一般2,000円

京都市京セラ美術館公式サイトはこちら


世界遺産にも登録された
ル・コルビュジエの作品

© 国立西洋美術館

国立西洋美術館|東京都台東区

施設整備のため、2020年10月から休館していた国立西洋美術館が、2022年4月9日リニューアルオープン。20世紀を代表する建築家の巨匠、ル・コルビュジエが設計し、1959(昭和34)年に竣工した同館は国の重要文化財に指定され、2016年には世界遺産に登録。日本の建築家たちに大きな影響を与えたル・コルビュジエの作品と展覧会をぜひ堪能してみては。

国立西洋美術館の見どころ

世界文化遺産「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」のひとつである国立西洋美術館は、ル・コルビュジエが掲げた「近代建築の5つの要点」や「無限成長美術館」の思想が体現されています。この2つに含まれる要素がピロティです。建物を柱で持ちあげることで、風通しがよく、人が自由に往来できる心地よい空間に。現在、当たり前のように存在しているピロティを、世界で初めて提唱したのがル・コルビュジエなのです。

「近代建築の5つの要点」は、ピロティのほかに「水平連続窓」「自由な平面」「自由な立面」「屋上庭園」からなり、近代建築の発展に大きな影響を与えました。柱と床板で建物を支える設計によって、外壁は取り外し可能なパネルとなっていたり、横長の窓(水平に連続する窓)からたっぷり陽光を取り入れることができたり、ファサードや内部の間取りに自由度をもたらしています。

ル・コルビュジエが名付けた「19世紀ホール」は、三角形のトップライトから光が降り注ぎ、荘厳な雰囲気で、空間そのものがひとつの作品に。吹き抜け空間が2階や中3階とつながり、本館建物の中心を担っています。

ホールを取り囲むように配置された展示室。独特な天井の高低差や壁の配置によって、多様な空間の広がりや変化を体感しながら、館内を回遊することができます。

展覧会情報

調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ ― 大成建設コレクションより
2022年4月9日(土)~9月19日(月・祝)

ル・コルビュジエの画家としての側面に迫る展覧会。世界有数のル・コルビュジエのコレクションを所蔵する大成建設株式会社からの寄託作品を中心とした展示構成で、《牡牛XVIII》といった大作から制作の過程を示す約10点の素描に至るまで、合計約20点(展示替含め約30点)を展示。円熟期を迎えたル・コルビュジエの絵画制作の展開を見ることができます。

DATA

[住]東京都台東区上野公園7-7 Tel 050-5541-8600(ハローダイヤル)

[時]9:30〜17:30(金曜・土曜は9:30〜20:00 )*入館は閉館30分前まで

[休]月曜(祝休日の場合は翌平日) 
[料]一般500円

公式サイトはこちら


チームラボの超巨大没入空間

チームラボ 展覧会風景「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」 2018 東京 豊洲 © teamLab, courtesy Pace Gallery

チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com|東京都江東区

幅広い世代が楽しめる新感覚のミュージアム。およそ10,000㎡​の空間は、水に入るミュージアム「Water Area」と花と一体化する庭園「Garden Area」で構成され、9つの超巨大没入型作品が展示されています。作品は、チームラボが長年取り組んできた「Body Immersive」というコンセプトのもと、身体ごと作品に没入し、自分の身体と作品との境界を曖昧にしていく体験を楽しむことができます。会期は2023年末まで。

作品の見どころ

人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング / Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and People – Infinity

Water Areaの作品。鯉が泳ぐ無限の水面に入り、人にぶつかった鯉は花となって散っていきます。人や他の鯉の影響を受けながら泳ぐ鯉の軌跡が光の線で表現。すべてコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれているため、再現不可能な一瞬の絵となっています。

The Infinite Crystal Universe

こちらもWater Areaの作品。光の点の集合で立体物を創る光の彫刻群が無限に広がる空間です。スマートフォンから、自ら選んだモノを投げ込むと空間の中に立体物が生まれ、それらの群によって作品空間は常に変化しています。

Floating Flower Garden: 花と我と同根、庭と我と一体 / Floating Flower Garden: Flowers and I are of the Same Root, the Garden and I are One

Garden Area の作品です。13,000株以上の生きたランで埋め尽くされた庭園。人がいる場所ではランが上がり、花々に包まれたまるで夢のような世界を体験することができます。

呼応する小宇宙の苔庭 – 固形化された光の色, Sunrise and Sunset / Moss Garden of Resonating Microcosms – Solidified Light Color, Sunrise and Sunset

こちらもGarden Areaの作品。日中と日没後で様子が変わる卵形のOvoidが広がる苔庭。Ovoidは、人の手や風で倒れても音色を響かせて立ち上がり、周囲のOvoidも呼応し、同じ音色を響かせていきます。幻想的な光と音の世界に没入できます。

DATA

[住]東京都江東区豊洲6-1-16 teamLab Planets TOKYO

<4月・5月>

[時]4月:平日10:00~19:00、土曜9:00~20:00、日曜9:00~19:00
5月:平日10:00~20:00、土日祝9:00~20:00
*入館は閉館1時間前まで
※特別営業時間 4/29(金)5/2(月)5/6(金)9:00~20:00

[休]5/11(水)
※6月以降の営業時間・休館日は公式サイトをご確認ください

[料]大人3,200円

公式サイトはこちら