毎日使うお茶碗、一年に一度のお重など
使用頻度にあわせた整理収納を!

今回は、毎日何回も使う「食器棚」をテーマに取り上げます。食器棚を整理収納していないと、ぎゅうぎゅうにモノを入れてしまい、毎日の料理や配膳が不便なものになってしまいます。食器棚を整理収納で使いやすくし、皆さんの毎日の良き相棒にしていただければ幸いです。

1カ所決めて、まず整理、そのあと収納に取り組みます。それが終わった場所は、日々片付けのみでOK。つまり、整理収納とは、仕組みづくりなのです。


整理収納は「30分」と決めて行いましょう。

整理を始める前におすすめなのが、キッチンタイマーで30分をセットしてスタートすること。時間を区切らずに進めると30分があっという間に過ぎてしまうように感じます。あらかじめ「30分」と決めておくと、「①思いのほか時間が長く感じて作業を進められる」「②時間を区切ることで集中できる」という2つのメリットがあります。


賞味期限切れをゼロ!管理しやすい食材ストック方法。

調味料・乾物・パスタ・カレーやシチュー・レトルト・缶詰・お菓子など、食材は様々。まずはダイニングテーブルに全部出しながら、この種類別に分けてみてください。何が多いのかが一目瞭然になります。

食材ストックの量の基本は1か月分。これを超えると、管理できず賞味期限を切らしやすくなります。例えば、カレーのルーが6箱あるとして、週に1度作り1箱を2回で使うと、3か月分あることになり、基本の3倍の場所を取りますね。これが全ての食材になると、多すぎて使い切れなくなるのです。

それを防ぐために、種類別に分けたまま100円ショップなどのプラスチックボックスに入れ、マスキングテープなどでラベリングし、食器棚一番下の引き出しや開き扉へ。

各種類「ここに入るだけ」とボックスサイズで決めてしまうことで、安売りしていても「これ以上は買わない」と心にストップをかけることができます。私はこの方法で、全ての食材の量が把握できており、賞味期限を切らせたことがありません!理想は8割収納。不意の頂きモノも困らないので、ぜひトライして。


食器は「使用頻度」と食洗機からの「動線」で住所を決める。

ご質問します。お持ちの食器の中で、週に1回以上使う食器は全体の何割ですか?
私は整理収納サービスで、よく使う食器は2割以下、あまり使わない食器がなんと半分以上、という住まいを多く見てきました。そして、そのよく使う食器が窮屈そうに重ねられていたり、使いたい素敵な食器が奥の方にあったり、ということも。
食器は、ぜひ使用頻度で住所を決めてください。「よく使う」には理由があり、サイズが良い・洗いやすい・子供が持ちやすいなど、無意識にご自身が選んでいらっしゃるのです。

使用頻度を6段階に分けて、使いやすい食器棚へ!

<よく使う食器>
・使用頻度1 毎日使うモノ
・使用頻度2 2~3日に1回使うモノ
・使用頻度3 週に1回使うモノ
これらは、目の高さ~膝の高さに収納。食洗機を使用するご家庭は、腰~膝の引き出しに収納すると、動線がびっくりするほどスムーズになりますよ。

<あまり使わない食器>
・使用頻度4 月に1回使うモノ
・使用頻度5 年に1回使うモノ
・使用頻度6 年に1回も使わないモノ
これらは、目の高さより上、膝の高さより下に収納。パーティー用・お正月用など特別なイベントで使う食器はひとまとめにして、吊戸棚用ストッカーなどへ。それでも入りきらない場合は、本当に必要か自問して。

目の高さから膝の高さは、人間が使いやすいゴールデンゾーン。この位置によく使う食器を収納します。収納方法は、開き扉の場合は同じ食器が奥から手前に、縦に並ぶようにします。そうすると、すべての種類の食器が見え、取りやすくなります。
引き出しの場合は、手前によく使う食器、奥にあまり使わない食器を収納します。少し開けるだけで、よく使う食器にアクセスできますよ。

また、マグカップなど、同じ種類が多すぎる場合は、「好きで使うモノ→好きで今まで使えなかったモノ→使うが好きではないモノ→好きでもないし使わないモノ」の順に並べ、後者を気持ちよく処分しましょう。割れていない食器を捨てるのは勇気がいりますが、捨てる痛みを知ることで、今後むやみやたらに買ったりもらったりすることがなくなります。


キッチンに必要な、3種類のゴミ箱の位置について。

キッチンでよく出るゴミは「燃えるゴミ」「ペットボトルゴミ」「カン・ビンゴミ」。この3種類のゴミ箱はキッチンに確保しましょう。大きなキッチンでしたら3個のゴミ箱を並べることができますが、一般的なキッチンの場合はその場所がありません。その場合は、「燃えるゴミ箱」をノンアクションのエリアへ、「ペットボトルゴミ箱」「カン・ビンゴミ箱」はノン~1アクションのエリアに置きましょう。アクションとは、モノを出し入れする指数のこと。「燃えるゴミ箱」はシンク近くがベスト。

私はコンロの向かいに軽く動かせる「燃えるゴミ箱」を置き、シンクで使うときに移動させています。「ペットボトルゴミ箱」「カン・ビンゴミ箱」は、床に置く場所がなければ、シンク下や食器棚の下段引き出しの中にゴミ箱を収納しましょう。洗ってからすぐに捨てることができます。
ホームセンターには様々なサイズのゴミ箱が売られていますので、収納場所のサイズをきちんと測って選んでくださいね。ゴミの種類の絵とゴミの日を書いておくと、何のゴミ箱か分かりやすいですよ。そして、突っ張り棒やタオル掛けを使ってゴミ袋を奥に掛けておくと時短になります。ぜひお試しくださいね!


西口理恵子さん

整理収納アドバイザー1級、インテリアコーディネーター、宅地建物取引士。新築マンション営業、企画に携わり、「インテリアR」を立ち上げる。「収納・インテリア・美」を総合した「美人収納」を掲げ、テレビ・雑誌でも活躍。セミナー・講演だけでなく、個人宅で「美人収納術」を直接指導し、整理収納サービスで生まれ変わらせたお宅は200軒以上も。著書『毎日がうまく回り出す 1日1収納の法則』他多数。

次回(2月下旬公開予定)は、
納戸や廊下などの収納を、美しく上手に使いこなす技をご紹介!