マンション生活で、騒音が気になったことはありませんか?
マンション内ではさまざまな人が暮らしているため、騒音がトラブルの元になることも少なくありません。近隣住民と良好な関係を維持するためにも、マンション生活では防音対策が重要です。
今回は、防音対策の重要性や防音工事の種類と特徴、DIYでの防音対策などを解説します。防音対策をおこなう際の注意点にも触れていますので、マンションで快適に生活したい方はぜひ参考にしてください。
マンションでは防音対策が重要
マンション生活における防音対策の重要性についてお伝えします。
マンションで防音対策をする意味
マンションの床や天井、隣室と接する壁には一定の防音対策が施されています。しかし、生活音がどの程度発生するかは、家庭の事情によって異なるため、可能な限りの防音対策をしておきたいものです。また、騒音の感じ方も人それぞれなので、自分では気にならない音でも、隣人は不快に感じることもあるかもしれません。マンションの構造によっても異なりますが、出来る限りの防音対策をしておけば安心して生活できます。
騒音による苦情や健康被害
マンションで発生するトラブルの中でもっとも多いのが騒音です。自分では騒音を出していないつもりでも、聞こえ方によっては苦情につながることもあります。また、過度な騒音は、ストレスや不眠といった健康被害を招く危険性もあるため、細心の注意を払いましょう。マンション内では、複数の人や家族が生活しています。防音対策によって余計なトラブルの発生を防ぐことも、マンション生活を快適に送る方法の一つです。
【関連記事】タワマンの騒音ってどれくらい? 内覧時の確認ポイントや対策まで詳しく紹介
【関連記事】タワマンに住んで後悔しないために! 失敗しないためのポイントも含めて解説
マンションの防音工事の種類と特徴
防音工事をおこなう際には、防音の目的によって内容やリフォーム箇所が変わります。音の種類や状況に合った施工方法を選ばなければ、満足のいく防音対策はできません。まずは、どこで発生する、どんな音を防ぎたいかを明確にして、適切な防音工事を選びましょう。
足音などの重量衝撃音対策に有効なフロア改修工事
フロア改修工事は、下の階への騒音を軽減する方法として有効です。特にフローリングで子供やペットがいる家庭の場合は、床の防音対策によって足音が響きにくくなります。床の騒音は、軽量衝撃音と重量衝撃音の2種類に分類されます。スプーンなどの落下音に代表される軽量衝撃音への防音対策であれば、防音カーペットを敷くだけでも効果的です。比較的安価な費用で施工できます。
その一方で、足音や子どもが飛び跳ねた際の振動などは重量衝撃音に分類され、防音には本格的な工事が必要です。床を遮音フローリングに張り替えるか、防振マットを床材の下に敷くといった対策が考えられます。
話し声やテレビの音を抑えるためには吸音材を設置
発生する音を響かせないために、吸音材を設置する方法もあります。吸音材とは、音の振動を弱めて反響を小さくする素材です。録音ブースや音楽室といった音を楽しむ場所で、余計な反響を抑えるために使用されます。防音対策は音をさえぎる遮音だけではなく、吸音という考え方も重要です。部屋の中で音が反響しなくなると、隣接する住戸に伝わる音も減少します。
防音工事では、壁や床の中に吸音材を入れる施工方法が一般的で、天井にも吸音パネルを設置すると、さらに高い防音効果が期待できます。
また、ホームセンターなどで販売しているタイル上の吸音パネルであれば、DIYで簡単に設置することも可能です。隣室の境界壁などに貼りつけることで、音漏れを防止できます。
外部からの音も防ぐ防音ガラスの設置
窓に施す防音対策としては、防音ガラスの設置が有効です。窓は直接ほかの住戸と接する部分ではありませんが、マンションの構造によっては窓から漏れる音も騒音の原因となります。防音ガラスに変えることで、音が漏れにくくなるほか、外から入ってくる音の抑制も可能です。防音ガラスの施工では、現在使用している窓ガラスを交換します。ただし、窓枠やサッシの構造によっては、全体の交換が必要な場合もあるため、事前に施工会社に相談しましょう。窓のサイズにもよりますが、安いものであれば5万円程度で施工できます。
ただし、マンションの窓ガラスは共用部分となるため、工事をおこなう際は管理組合の許可が必要な点には注意しましょう。
テレワークに最適! DIYでも防音対策ができる
近年では、働き方が多様化し、自宅で仕事をする方も増えました。仕事に集中できるテレワーク環境を構築するためには、防音対策が不可欠です。また、オンライン会議などで多少の音が発生することもあるので、家族や隣人への配慮はしておきたいものです。
そこで、DIYで簡単にできる防音対策をいくつか紹介します。
テレワークで使う椅子の音はクッション材で防ぐ
テレワークで、キャスター付きの椅子を利用している場合は、フローリングにクッション材を敷くだけでも階下に響く音を軽減できます。クッション材には、木目調やストーン調などさまざまな色柄があり、DIYが初めての方でも簡単にできます。
クッション材を敷く際は、床の汚れやゴミをしっかりと取り除いてください。部屋の寸法にあわせて隙間なくクッション材を敷き詰めていきましょう。特に部屋の角や家具の周囲などにきれいに沿って敷き詰めれば、仕上がりが格段に向上します。
防音カーテンを使う
簡単な防音対策として、防音カーテンを使用する方法もあります。防音カーテンとは、音をさえぎるための特殊な加工が施されたカーテンです。外からの騒音を抑制するとともに、部屋の中からの音漏れも防ぐ効果が期待できます。また、防音カーテンを部屋の間仕切りに使用することも一つの方法です。テレワークで独立した部屋が確保できない場合は、間仕切りをするだけでも周囲の騒音が軽減されます。
【関連記事】テレワークに特化したマンションの特徴やテレワークスペースの作り方を詳しく紹介
マンションで防音をする際の注意点
マンションで防音対策をおこなう際の注意点を紹介します。実際に防音工事を施工する場合は、費用や施工会社を事前にしっかりと検討してください。
防音対策にかかる費用と効果のバランス
防音対策をするには、当然費用がかかります。防音の必要性や、性能と費用のバランスをよく考えた上で、最適な方法を選びましょう。マンションの場所によっては、防音工事に補助金を利用できる場合があります。空港や幹線道路の近くに住んでいる方は、補助金制度について管轄の自治体に問い合わせてみてください。
施工会社の選び方と見積もりのチェックポイント
防音工事の施工会社を選ぶ際は、実績や施工例を必ず確認しておきましょう。防音工事には、専門的なノウハウや経験が欠かせません。自分が防音対策をしたい部分の施工に慣れている会社を選ぶことが大切です。判断がつかない場合は、インターネット上の口コミサイトなども判断材料になります。また、施工費用の妥当性については、素人ではなかなか判断できません。提示された金額に納得できれば問題ありませんが、可能であれば複数の会社に見積もりをとりましょう。
なお、多くの場合でマンションのリフォーム工事をおこなう際には、管理組合の許可が必要です。さらに、工事箇所によっては管理会社の許可おりない場合もあるので、施工をお願いする前に必ず確認しておきましょう。
マンションでは防音対策だけでなく生活音への気配りも重要
マンションでは、隣人とのトラブルを防ぐためにも防音対策が欠かせません。しかし、適切な防音対策をおこなっていても、近隣住民への配慮を忘れてはいけません。深夜や早朝はテレビなどの音量や足音に気をつける、キャスター付きの椅子を使用する際はやわらかいカーペットやクッション材を敷くなど、生活音への気配りをすることで不要なトラブルを避けられます。また、そもそも防音性の高いマンションを選ぶことも重要です。マンションの防音性を確認するポイントは「窓」「壁」「床」の3つです。特に、壁や床はあとからでは変更しにくいため、構造や厚みなどを事前にしっかりと確認しておきましょう。
生活スタイルにあわせて最適な防音対策を見つけて、快適なマンション生活を送ってください。