浴室乾燥機は雨の日や花粉の季節など、洗濯物を外で干すのが難しいときに役立つ便利な設備として、分譲マンションのみならず賃貸物件でも普及しています。
しかし、期待していたほど洗濯物が乾かないという声も聞かれます。
今回は、浴室乾燥機で洗濯物が乾かない原因や対処法を紹介します。いつも洗濯物が湿っている等不満を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
浴室乾燥機で洗濯物が乾かない原因
洗濯物が乾かないまま浴室に放置していると、入浴もできないため不便です。
そこで、まずは浴室乾燥機で洗濯物が乾かない主な原因を3つ紹介します。当てはまるものがないか、1つずつ確認してみてください。
①洗濯物の量が多すぎる
浴室乾燥機で一度に乾かせる洗濯物の量には限度があります。許容量を超えた洗濯物を干していると、なかなか乾きません。家族が多い、洗濯物がたまっているなどの理由で洗濯物の量が増えた場合は、複数回に分けて干すなどの工夫が必要です。どの程度の洗濯物を乾かせるかの目安は、浴室乾燥機の取扱説明書に書いてあることもあります。浴室乾燥機に干す洗濯物の量を適切に調整して、効率よく利用しましょう。
②浴室自体に湿気がこもっている
浴室自体の湿気は、洗濯物が乾きにくい大きな原因です。入浴直後や換気扇を止めていた場合、浴室には湿気がこもっています。また、バスタブにお湯を張ったままだと湿気がなかなか抜けません。湿気が残っているときは、窓や浴室のドアを開けて十分に換気しましょう。湿気の残った状態で浴室乾燥機を使用しても洗濯物は乾きにくく、電気代ばかりがかさんでしまいます。
③浴室乾燥機のフィルターが汚れている
浴室乾燥機は、天井に設置されているフィルターを通して湿気を屋外へ排出します。しかし、フィルターが汚れていると、湿気を含む空気を外部に出せないため、洗濯物が十分に乾きません。洗濯物の量が少ないのに乾きにくいときは、フィルターの点検をおこないましょう。ホコリや汚れで目詰まりを起こしている場合は、フィルターの清掃や交換が必要です。
浴室乾燥機が故障した時の代表的な症状
洗濯物が乾かない場合、浴室乾燥機が故障している可能性 もあります。調子が悪いまま使用を続けていると、重大な故障に発展して高額な修理費用がかかることもあるため注意が必要です。
浴室乾燥機が故障しているときにみられる、代表的な症状を紹介します。いつもと様子が違うと感じたら、早めに原因を見つけて対処しましょう。
風が出ない、風量が少ない
浴室乾燥機のスイッチを入れたのに風が出ない場合や、風量をボタンで切り替えても設定より風量がが少ない場合は、モーター部品が故障している可能性があります。風がまったく出なければ使用できませんが、風量が少ないときも注意が必要です。そのまま使用していると、さらなる不具合につながるおそれがあります。機種や使い方にもよりますが、モーター部品の寿命は10年程度です。モーターの点検修理は必ず専門業者<に依頼しましょう。
異音がする
浴室乾燥機の作動中に異音が出ている場合は、ただちに使用を中止しましょう。浴室乾燥機を構成する部品の劣化や破損が原因で、何らかの不具合が発生している可能性があります。異音の種類にもよりますが、機械や部品に負担がかかっていることは間違いないため、放置していると使用自体ができなくなるかもしれません。普段と違う動作音が気になる場合は、点検修理を依頼しましょう。
そもそも電源がつかない
浴室乾燥機のスイッチを入れても電源がつかない場合は、故障しているか、ブレーカーが落ちている可能性があります。ブレーカーを上げて正常に作動すれば問題ありませんが、何度もブレーカーが落ちる場合は電気的な不具合が考えられるため、専門会社に点検を依頼しましょう。ただし、浴室乾燥機のスイッチを入れても電源が入らなくなった場合は、リモコンの電池切れや、手順が間違っていることもあります。故障と判断する前に、取扱説明書を一度確認してみてください。
浴室乾燥機を使って洗濯物を乾かすコツ
浴室乾燥機を最大限活用するために、できるだけ乾燥しやすい環境をつくるポイントを押さえることが重要です。
洗濯物同士の間隔を十分に取る
洗濯物同士は5〜10センチ程度の間隔をあけて、風の通り道をつくると乾きやすくなります。洗濯物がたくさんある場合は、複数回に分けて干しましょう。また、洗濯物を干す位置にもコツがあります。厚手の上着やジーンズなど、乾きにくい衣類は吹出口の一番近いところに、Tシャツなど薄手のものは吹出口から離れたところに干すと効率的です。
浴室内の余分な水分をしっかりと拭き取る
浴室乾燥機で洗濯物を干す前に、浴室内の水気をしっかりと取り除くことが大切です。お風呂からあがったら、タオルなどで水気を拭き取りましょう。バスタブのお湯は捨てたほうが湿気が抜けやすくなりますが、残しておきたい場合はフタをして室内に湿気が広がらないよう対策してください。
浴室の窓を開ける
浴室の窓を少し開けると、空気の循環がよくなり洗濯物がよく乾きます。ただし、窓は開けすぎないように気をつけましょう。室内の温度が大きく下がると、かえって乾燥効率が悪くなります。また、雨の日も窓を開けるのは控えてください。せっかく浴室内で乾燥させようとしても、外の湿気が浴室内に入り込んでしまいます。
乾いたバスタオルも一緒に干す
洗濯物と一緒に乾いたバスタオルを干すと、バスタオルが湿気を吸い取るため、洗濯物が乾きやすくなります。バスタオルがない場合は、 丸めた新聞紙を置いておくと効果的です。新聞紙であれば、 使い終わったらそのまま捨てられて便利です。
浴室乾燥機のフィルターを定期的に掃除する
浴室乾燥機のフィルターは1ヶ月に1回を目安に掃除して、常に清潔な状態を保ちましょう。フィルターにホコリや汚れが蓄積すると、空気の循環が悪くなり、いつまで経っても湿気が抜けません。フィルターの掃除は簡単です。取り外したフィルターのホコリを掃除機で吸い取るか、乾いた布で拭き取りましょう。汚れがこびりついていて落ちない場合は、洗剤を溶かしたぬるま湯でやさしくこするときれいに落ちます。
浴室乾燥機で乾かないと思ったら洗濯物の量や湿気の有無など原因を1つずつ確認
浴室乾燥機は、天気や時間帯を気にせずに洗濯物を乾かせる便利な設備です。しかし、さまざまな要因で洗濯物が乾きにくくなることもあります。浴室乾燥機で洗濯物が乾かないと感じたら、洗濯物の量や湿気の有無、乾燥機自体の不具合など、原因を1つずつ探っていきましょう。浴室乾燥機の故障が疑われる場合は、専門会社に点検や修理を依頼してください。軽い不具合であればそのまま使用できることもありますが、モーターを中心とした部品の故障が原因の場合、放置しているといずれ大きな故障につながりかねません。
また、浴室乾燥機は専用の洗濯乾燥機ほど乾燥能力が高くないため、工夫して干すことも大切です。洗濯物同士の間隔をあける、水分を拭き取るなど、ちょっとしたポイントに気をつけるだけで、乾きやすくなる可能性があります。便利な浴室乾燥機を、ぜひ有効に活用してください。