洗面台リフォームを検討する場合には、設置場所の広さや給排水設備の位置など事前の条件確認が必要です。また、リフォームをスムーズに進めるためには、洗面ボウルの形状や蛇口の種類など製品選びのポイントを理解しておきましょう。
この記事では、洗面台をリフォームする際に必要な基礎知識を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
リフォームのタイミングは、使い始めて10~20年が目安
洗面台のリフォームを行う時期の目安は、使用開始から10〜20年が経過した時です。ただし水回りの製品は、使用頻度などによって劣化が早くなります。家族が多く使用頻度が多い家庭では、10年程度で交換が必要となる場合もあるでしょう。また、洗面ボウルは化粧品や整髪剤などの汚れがつきやすく、硬いものを落とせばひび割れの原因になります。これらを放置している場合も、寿命は縮まります。一方で、こまめに掃除を行い丁寧な使い方をしていれば、寿命を延ばすことは可能です。
蛇口の水漏れや洗面ボウルのひび割れが発生した場合には、リフォームを検討すると良いでしょう。
洗面台リフォームの2つのパターンと費用
洗面台のリフォームを検討する際には、パーツが一体となった据え置き型の「システムタイプ」または、パーツを自由に組み合わせる「造作タイプ」のいずれかを選択することになります。
システムタイプへの交換
システムタイプとは、以下のパーツが一体となった製品です。- ●洗面ボウル
- ●蛇口(水栓)
- ●ミラー
- ●照明
- ●キャビネット(収納)
- ●コンセント
システムタイプは設置工事が容易であるため、費用を安く抑えられます。システムタイプの設置費用は、本体価格と工事費用を合わせて、10〜25万円が目安です。本体はリフォーム会社に依頼するだけでなく、自身でホームセンターなどの店舗で購入することもできます。
本体はグレードによって値段が異なり、5~10万円程度で購入できる安価な製品と、10~15万円程度のものに分かれます。グレードの高い製品は、洗面ボウルが広く設計されている点や、収納力が高い点などが特徴です。
造作タイプへの交換
造作タイプは、洗面ボウルやミラーなどの各パーツを別々に選び、組み合わせるタイプです。気に入ったパーツを自由に組み合わせられるため、理想の洗面台を作れます。例えば、システムタイプにはない大容量の収納や、デザイン性の高いミラーなどを設置することなどが可能です。ただし、一つひとつのパーツを組み合わせて設計するため、システムタイプより費用は高くなります。一般的には、25~50万程度の費用が必要になるでしょう。
洗面台をリフォームする際の確認ポイント5選
洗面台をリフォームする際には、設置場所の広さや製品の規格を確認しておくことが必要です。こちらでは、リフォームする際に事前に確認しておくべきポイントを5つ紹介します。
洗面台設置場所の広さ
まず、洗面台を設置する場所のサイズを確認しましょう。具体的には、以下の3つを計測しておく必要があります。- ●横幅
- ●奥行き
- ●高さ
システムタイプの場合、洗面台の横幅は「60cm・75cm・90cm」が一般的な規格です。洗面ボウルが2つあるタイプでは「150cm・160cm」になります。なお造作タイプを設置する場合には、セミオーダーでサイズを細かく調整することが可能です。
横幅や奥行きは、キャビネットを開けた際などに壁などに干渉しないか確認しましょう。また高さを確認する際には、窓の位置に注意が必要です。背の高い洗面台を設置することで、窓が隠れてしまう可能性があるためです。
給排水口の位置
洗面台の設置工事をする際には、給排水口の位置を確認しておきましょう。通常は洗面台を新しく入れ替えても、給排水口の位置を変更する必要はありません。しかし、給排水口の位置によっては配管が洗面台に干渉し、取り付けができない場合があります。
例えば床に給排水口がある場合、引き出し型のキャビネットが排水管に干渉してしまうケースがあります。洗面台を選ぶ前に、給排水口の位置を確認しておくことが大切です。
洗面台の高さ
洗面台の使いやすさの点から、洗面台の高さを決めておきましょう。洗面台の高さの規格は「75cm・80cm・85cm」の3種類が一般的です。洗面台の最適な高さは「身長÷2」が目安になります。また、車椅子の方の高さに合わせたユニバーサルデザインの製品もあります。内装工事の有無
洗面台をリフォームする際には、壁や床の内装工事を併せて行うかも検討しておきましょう。洗面台の大きさが変わると、今まで隠れていた壁や床が見える場合があります。隠れていた箇所が、周りと色が変わっていると見栄えが良くありません。
また、床や壁が湿気で傷んでいる場合があります。床がきしむなどの症状がある場合には、洗面台のリフォームと併せて内装工事を検討するのが良いでしょう。
工期
洗面台のリフォームにどの程度の時間がかかるのか、事前に確認しておきましょう。洗面台の設置自体は通常1日あれば完了しますが、内装工事を伴う場合には、2~3日程度の工期が必要です。洗面台が利用できない期間の対応を考える上で、あらかじめ工期を確認しておいた方が良いでしょう。新しく取り付ける洗面台選びのポイント
洗面台の製品を選ぶ際に、それぞれのパーツの選び方を理解しておく必要があります。こちらでは、4つのパーツごとに選ぶ際のポイントを紹介します。
洗面ボウル
洗面ボウルを選ぶ際には、以下の3点に注意しましょう。- ●深さと広さ
- ●縁の広さ
- ●素材
洗面ボウルは、水はね汚れを防止するために一定程度の深さや広さが必要です。深さと広さの目安は、楕円形の場合「直径40cm・深さ12cm以上」、角型の場合「幅45cm・深さ12cm・奥行き35cm以上」です。
素材は主に「陶器製・ホーロー製・人工大理石製」の3つがあります。それぞれの素材の特徴は以下のとおりです。
陶器製の特徴
- ●メリット:傷がつきにくい、低価格、お手入れが簡単
- ●デメリット:割れやすい、重い
ホーロー製の特徴
- ●メリット:割れにくい、汚れがつきにくい
- ●デメリット:コーディングが剥がれると錆びる
人工大理石製の特徴
- ●メリット:割れにくい、低価格、お手入れが簡単
- ●デメリット:小さな傷がつきやすい、ヘアカラー剤が使えない。
蛇口
蛇口には、主に「ワンホール」と「ツーホール」のタイプがあります。ワンホールとは、1つのハンドルの操作で水とお湯が出る仕組みで取付穴が1つのものです。レバー式のほか、センサーで反応する自動式のタイプがあります。また、蛇口とハンドルが一体になっていない「コンビネーション」というタイプの製品もあります。ツーホールとは、蛇口が横長の台についており、天板に2つの穴で取り付けるものです。
キャビネット
洗面ボウル下のキャビネットには「開き戸」「引き出し」の2つタイプがあります。「開き戸」と「引き出し」がどちらも付いている製品もあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。開き戸タイプの特徴
- ●バケツや洗剤などの背の高い物を収納できる
引き出しタイプの特徴
- ●物の出し入れがしやすい
- ●奥行きを広く活用できる
引き出しタイプは、収納が2段に分かれているため高さのある物を収納できない点がデメリットです。
洗面台のキャビネットはスペースに限りがあるため、何を収納するのかあらかじめ考えた上で、適切なタイプを選ぶと良いでしょう。
ミラー
ミラーの種類は、主に「一面鏡・二面鏡・三面鏡」の3タイプです。一面鏡には、裏側が収納スペースになっているタイプやミラーの脇に小物の収納が付いているタイプもあります。脇に収納が付いているタイプは物が取り出しやすい一方で、中が丸見えになる点がデメリットです。二面鏡ともミラーの裏側が収納スペースになっており、小物が隠せるため見た目がすっきりとした印象になります。さらに、三面鏡は右のミラーを開いて合わせ鏡にもできるため、後ろ姿を映すことも可能です。ミラーを選ぶ際は、収納や鏡の機能面から選ぶと良いでしょう。
洗面台のリフォーム費用を抑えるためのポイント2選
洗面台のリフォーム費用は、システムタイプで10〜25万円程度と決して安くはありません。こちらでは、リフォーム費用を抑えるためのポイントを2つ紹介します。
相見積もりを取得する
リフォーム会社に依頼する場合は、複数社から見積もりを取りましょう。会社は、洗面台専門の会社や大規模なリフォーム会社など様々です。複数社から見積もりを取ることで、それぞれの会社のリフォーム価格を比較できます。例えば、大規模なリフォーム会社では大量の製品を仕入れているため、本体価格が安く抑えられている場合があります。
相見積もりを取るのは少し手間がかかりますが、費用を抑えられる可能性があるため、試してみるのも良いでしょう。
リフォームパックを利用する
洗面台の交換に加えて内装工事も依頼する場合は「リフォームパック」を利用すると良いでしょう。リフォームパックは、設置工事や内装工事が一体となった安価なサービスです。別途内装工事を依頼する手間が省ける上に、工事保証などリフォーム時のトラブル対応も付いている場合もあります。
リフォームパックのプランは、多くのリフォーム会社で準備されているので確認してみてください。
洗面台のリフォームの際には制約条件や製品を選ぶ際のポイントを
理解しておきましょう
洗面台のリフォームを行う際は、設置場所の広さや給排水口の位置を事前に確認しておくことが必要です。また、洗面台の種類やパーツの特徴を理解して、ご自身のライフスタイルに合った製品を選びましょう。
洗面台リフォームには、10〜25万円程度の費用が必要です。費用を抑えたいなら、複数社から見積もりを取ることが大切です。
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