Project 03 「歴史」×「進化」

近鉄不動産、首都圏初の試みとなるリノベーション事業が始動。
早くも充分な成果を挙げている。

近鉄不動産はマンションや戸建住宅の新築、ビルの開発・運営などを事業の柱にしてきた。そんな中、既存物件を有効活用することでも社会に貢献したいと、リノベーションプロジェクトが立ち上がった。

MEMBER

首都圏事業本部
分譲事業部

福田 隆博

2009年入社

首都圏事業本部
企画情報部

後藤 渉

2016年入社

首都圏事業本部
企画情報部

村瀬 翔

2017年入社

Story 01

これまでになかった
革新的なコンセプト

このチャレンジングな取り組みの推進役に抜擢されたのが、企画情報部の後藤だ。近鉄不動産初のリノベーション物件として後藤に与えられたのは、東京・板橋にある、グループ会社の単身者向け社員寮。29戸あるこのワンルームマンションを生まれ変わらせるには、どうすればよいか。後藤は頭を悩ませた。「近年はシェアハウスが人気ですが、オープン過ぎる雰囲気を敬遠している人は多いかもしれないと考えました。だからといって、プライベートを重視するとこれまでのマンションと何ら変わらなくなってしまう。そこのバランスを近鉄不動産らしく、先進的なものができないか検討を重ねました」。そうしたコンセプトのもと考案したのが、ワンルームとシェアハウスの両方のエッセンスを取り入れたスタイルだ。29戸のうちの1戸を共同スペースとして開放することで、居住者のプライベートは保ちつつ、シェアハウスの楽しい暮らしを体感できる空間を創出。また、そのスペースには、ワンルームでは採用できない大型キッチン、豪華な家電、プロジェクターなどを導入することで、広い空間を活かしたマンションにできるのではと考えた。

こうしたアイデアを具現化すべく奔走したのが、建築業務に携わっている福田だ。福田は実際にリノベーションの設計や施工を行ってくれる事業者を選定したほか、滞りなく工事が進むよう、その後も現場管理にあたっている。後藤、福田の2人を中心に、数々の苦労を経て生まれ変わったマンションは「リフィオ成増」と名付けられた。後藤が考えた共同スペースが「他にはないマンションだ」と評判になり、すぐに満室となった。単身者向けのため退去者も多いが、図面を見ただけで「入りたい」と来る人も多く、2019年現在も好評を博している。後藤は、想定していた共同スペースでの交流も生まれていると入居者から聞いたと話す。「例えばサッカーワールドカップの際には、多くの入居者様が共用スペースで観戦するなど、様々に楽しんでいただいているようです」。建築を担当した福田は、「当社初の試みでしたのでほとんどが手探りの状態でしたが、これまでの経験をフルに活かし、何とかアイデアをカタチにできました」と振り返る。リフィオ成増はその革新的なスタイルやデザイン性が評価され、グッドデザイン賞も受賞した。

Story 02

続々とリノベーションプロジェクトが発足

後藤と福田の成功を受け、リノベーションプロジェクトが本格的に立ち上がることになった。本格始動に先駆け、近鉄不動産は東京・銀座にある築30年のビルを購入。それをリノベーションし、空室率約6割という現況を改善するというミッションに立ち向かうことになった。どういうオフィスなら借りたいか。中小企業向けのこのビルを自分で借りるとしたら、最後に気になるのはトイレと考え、真っ先にトイレを改修。加えて、エントランスも明るくすることで、お客様を招いた際に『いいオフィスだね』と言ってもらえるように意識した。費用が限られる中、場所を厳選してリノベーションを行ったことで、着工からわずか半年弱という短期間で満室を実現。空室率の改善を見事にクリアし、本プロジェクトも成功につなげた。さらに、東京・国立の4LDKの分譲マンションの一室をリノベーションするプロジェクトが発足。

責任者に任命された村瀬は、築24年のマンションに高付加価値を付けたいと考えた。無垢のフローリング、アイランドキッチン、モダンな和室など、高品質な設備を上司に提案。しかし、費用が跳ね上がってしまうため、見直しを迫られた。自分の想いを残すには何を優先すべきか。村瀬は付き合いのある工事業者にヒアリングを行った結果、明確な回答が得ることができた。「どの工事業者からも床が大切だと教わりました。直接肌に触れる部分ですし、目に入る面積も大きい。全てを実現するのが難しいのならば、一番こだわるべきは床だと言われ、これだけは譲れないと思いました」。アドバイスをもとに、無垢のフローリングは是が非でも残すことに決定。さらにターゲットを若いファミリーと想定し、カフェ感覚を意識した造作風キッチンの導入やライフスタイルにあわせて趣味部屋やワークスペースとして利用できる土間を採用することで、予算を抑えつつも高付加価値が与えられるのではと上司に再度提案。その優れたアイデアが採用され、個性的なマンションが誕生した。

Story 03

プロジェクトを通じて
それぞれが実感する成長

リノベーション事業は、近鉄不動産に着々と根付きつつある。後藤が担当したワンルームのプロジェクトはリフィオ事業として確立され、新たなブランドが誕生することとなった。第2弾として取り組んだ江東区・木場の案件も、成功に終わったという。「自分の関わったプロジェクトが、社内の一事業部として成長したことに誇りを感じます。現在までにリフィオ事業として計8棟の賃貸マンションを取得しており、今後はリフィオ成増に続く2度目の1棟リノベーションを予定しています。今後も福田さんをはじめ、周りの先輩と協力して事業を推進していきたいです。そしてゆくゆくは、築50年という限界物件のリノベーションにも取り組みたいと思います。マンションの寿命が延びれば、社会的意義もあるはずですから」と後藤は意気込む。

それぞれのメンバーも、今回のプロジェクトを終えて次のように話す。
「私はこれまで戸建住宅やファミリー向けマンションの建築がメインでしたので、ワンルームは新鮮でした。また昨今は共働きで家にいない夫婦も多く、今までの間取りや設備で本当にいいのか? と根本から見直すクセが身についたように思います。自分の中の引き出しが増えたので、オフィスをホテルにリノベーションするなど、今後も斬新な取り組みをしてみたいですね」(福田)
「セミナーに参加したり、他社の事例を見学したり、雑誌を見たりと、私が日々実践していたことは、刺激を受けるためだけではなく、実務に活かすためにも重要だということを改めて認識できました。今後も経験を積みながら、ユニークなコンセプトのリノベーションを行ってみたいです」(村瀬)
失敗するかもしれないが挑戦させてくれる土壌が近鉄不動産にはある。リノベーションプロジェクトを通じて感じた個々人の進化は、やがて会社の進化、さらには不動産の在り方の変化へと繋がっていくだろう。