Do It Yourself

「この空間にちょっとほしい」を
自分の手でつくってみる。

壁際の小さな空間、キッチンの隅っこ。そこに「こんなインテリアがあったらいいな」と思うこと、ありませんか?そんなときにチャレンジしてみたくなるのが、手作りのラスティックなインテリア。自作するものなら、サイズもデザインも「自分好み」に合わせられます。体験型のDIY専門ショップ「DIY FACTORY OSAKA」に、作るコツをお聞きしました。

<取材協力>DIY FACTORY OSAKA


トレンドはナチュラルであたたかみのあるラスティックなインテリア

ラスティックとは、自然で素朴なあたたかみがあること。木をふんだんに使った手作りのインテリアは、まさにラスティックと言えそう。精巧ではないけど、どこか人間味があってホッと気持ちが和みます。

「そういうところが既製品にない味わい。なかなか店頭に並ばないからこそ、自分で作る意味があるのだと思います」とショップスタッフの小寺さんは言います。


ほしい場所に、ほしいものをぴったり制作する

店頭で売られているインテリアは、ある程度サイズが決まっているのが普通。住まいの中にある「ちょっとした空間」にジャストフィットするものを見つけるのは簡単ではありません。でも手作りなら、サイズだって自由自在に調整できます。

木を材料に使えば、触っているだけで癒やされるし、木目をデザインとして楽しむこともできます。「部屋の色に合わせたければ、木を塗装すればOK。カラーリングによって空間に合わせていけるところも、木の良さだと思います」(小寺さん)


DIYを基礎から楽しく学ぼう

「DIY FACTORY OSAKA」は、作り方を学びながらインテリアを完成させられる教室スタイルの工房。100を超えるレッスンがあり、道具はすべて店内にあるものを使うので、手ぶらで行けるところが魅力です。「初心者の方は、工具の使い方や塗装・組み立ての練習などができる『基本レッスン』がおすすめ。これだけはDIYに必要、という基礎的な技術を学べます」。どのレッスンもスタッフがつき、完成まで丁寧にレクチャーしてくれます。工具が気に入ればその場で購入することも可能。


DIY FACTORY OSAKAでスパイスラックづくりに挑戦!

コショウや塩などのスパイスを置くのに便利な「スパイスラック」。棚の高さを変えられる使い勝手抜群のプチ収納です。DIYの三種の神器と言われるジグソー(電動のこぎり)、サンダー(電動やすりがけ)、電動ドリルドライバーすべてを使える上、「切る」「組み立てる」という基本の工程に沿って作ることができます。工数は少し多めですが、その分DIYの腕が磨かれます。

材料…所定のサイズに切りそろえたパイン材
道具…ジグソー、サンダー、電動ドリルドライバー、さしがね(ものさし)、クランプ(固定用)、スリムビス、のみ、かなづち、ボンド

※木の色味を変える場合は、あらかじめ塗料やニスを木目に沿って塗っておく。

木材にさしがねを当て、のこぎりで切るところ、穴あけするところに墨付けする。正確に墨付けすることが、ずれや狂いを起こさないポイント。

棚板となる木材を固定し、線に沿ってジグソーでカット。線のやや内側を切るのがコツ。カットした面をやすりがけすると、仕上がりがきれいに。ジグソーで切れない部分は、のみでカットする。カッターで軽く跡をつけ、かなづちでのみを少しずつたたくと、きれいにくり抜ける。

電動ドリルで穴あけする。穴あけは、ビスを打ちやすくするための下準備。ドリルを垂直に入れ、まっすぐな穴をあけることが、ゆがみなくビスを打ち込むコツ。また、丸い木の棒を入れる箇所にも8mmドリルで穴をあけておく。

材料を組み立てていく。まずは棚受けと脚を接合。木口にボンドを塗って接着する。木がボンドを吸い込むため、まずは木口にまんべんなく塗り、次に真ん中に塗って木口を押しつけ、少しはみ出るくらい塗るとしっかり接着できる。

棚受けと脚をビスで固定する。材料と材料の間にすき間ができないよう、体重をかけてしっかりとしめる。上から体重をかけられない場合は、材料をぐっと押し込むようにしてビス止めする。真っ直ぐに固定できているか、さしがねで確認しながら止めていく。

一番下の棚板と脚を組み合わせる。棚板と脚の接触面にボンドを塗り、棚板と棚受けをビスで固定する。釘ではなくビスを使うことで、材料がしっかりと固定され、ぐらつきを抑えられる。

棚板と脚が固定できたら、丸い木の棒を取り付け、一番右上の棚板と脚を固定する。

脚を固定する薄ベニヤをクロスさせ、ラックの両端をしっかりと固定してビスで止める。ベニヤは割れやすいのであらかじめ下穴を開けておく。

薄ベニヤを取り付けたら完成。中2段の棚板は取り外しでき、スパイスラックのほかに小物のディスプレイ棚としても使える。


ショップスタッフさんに、DIYで気になることをお聞きしました。

DIYを楽しむコツは?

完璧を求めないことですね。失敗もいい経験です。「今度こそいいものを作るぞ!」という意気込みをもって次に生かせば、確実に上達していきます。うまくなる一番の早道は、繰り返し作ってみること。時間を忘れて夢中になれるのがDIYのステキなところなので、あきらめず何度でもトライしてみてください。そのうちイメージ通りのものができるようになり、作ることが本当に楽しくなりますよ。

コレだけは身につけておきたいコトは?

「電動工具を使うのはコワい」という方がいらっしゃいますが、電動工具なしでDIYすると、すごく手間と時間がかかります。電動工具は作業のサポーターであり助っ人、という意識で使ってみてはいかがでしょうか。どの工具にもセーフティ機能があり、使わないときはロックをかけられるので、不安なく作業していただけると思います。

作りたいものをどうイメージする?

ゼロから設計図を引くのは、DIY初心者さんにはなかなか難しいと思います。そんなときは、作りたいものに最もイメージが近いものを、お部屋の中から探してください。例えば、テーブルを作りたいなら、自宅のテーブルをじっくり観察。パーツの数や構造などが分かるので、どんな材料をどう組み合わせるのか、頭の中で何となくイメージできると思います。それを一度紙に書き出してみてくださいね。


レッスンで上達すれば家具もつくれる

レッスンのいいところは、穴あけのポイント、組み立てでキレイにそろえるコツ、材料に応じたボンドのつけ方など「ちょっとしたDIYの小ワザ」を、道具の使い方といっしょに習得できるところ。我流で取り組むよりもずっと早く上達でき、うまくなれば様々な家具も作ることができます。


DIYにハマり始めると、難易度の高い家具などを作りたくなります。「使う道具と工数がたくさんあるものが、いわゆる難易度の高いもの。それを一人で完成させることができれば、DIY上級者と言えます」と小寺さんは言います。

では、上級者でなければ難易度の高いものは作れないかというと、そんなことはないのだとか。「レッスンでは、初心者の方が上級者向けのものを作ることもあります。スタッフがついていますので、どんな形であれ完成までもっていくことができます。気軽に挑戦してみてください」


DIY FACTORY OSAKA

「つくる楽しさを未来へつなげる」をミッションに、2014年に大阪・なんばにオープンしたDIYショップ。2015年には東京・二子玉川に2号店をオープンしている。初心者から熟練者まで使える工具や材料を販売するだけでなく、ものづくりのおもしろさを体感できるレッスンが多彩。高架下にあるので、音を気にせずDIYに没頭できる。

大阪市浪速区敷津東1-2-12 南海電鉄高架下

Tel. 06-6643-9700
[時]11:00〜19:00 [休]月曜

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