塗り絵とペーパークラフトで大人の時間を。
塗り絵とペーパークラフトで大人の時間を。
家でできる小さな創作は、
不思議と気持ちを落ち着かせてくれる。
きれいな色や形に触れるひとときを。
Coloring&Paper Craft
シャカシャカ…。部屋に色鉛筆の音が響く。アートな図柄に色の命を吹き込む「塗り絵」。本格的な絵画のように仕上がっていくのを見ていると、塗り絵は大人の軽やかなクリエイティブであることに気づく。「塗り絵は、心のゆがみやへこみを修復する『リ・クリエイト(作り直し)』なんですよ」と脳科学者の古賀良彦教授。下絵を見て、塗り方のプランを立て、手を使って着色していく作業は、脳をまんべんなく活性化させ、ストレス解消に導くという。
花びらを同系のカラーで塗りそろえたり、繊細なグラデーションを入れてみたり。それはまるで、散らばった心のかけらを集め直し、バランスを整えていくような感覚。美しい色の海が、気持ちを鎮めてくれる。ストレス解消のコツは自由に塗ることが大切と話す古賀教授。「寝る前の20〜30分だけなど、ほんのわずかな時間でいいんです。好きなときにやめられて、いつでも再開できるのが塗り絵のいいところ。心引かれる絵を選んで、自由に塗っていくのがストレス解消につながりますよ」
<取材協力>
日本ブレインヘルス協会理事長 古賀 良彦さん(杏林大学医学部名誉教授)
Coloring&Paper Craft
名画をモチーフにしたものや、細やかな模様を一面に散りばめた塗り絵ブックがたくさん登場している。まずは好きな図柄をチョイスし、気軽に始めてみては。
ロートレックやゴッホなど、世界中の名画を題材にした塗り絵集。きめ細かい下絵がついているので、絵が得意でない人でも気楽に始められる。友人や家族といっしょに塗り絵を楽しむと、コミュニケーションの輪が広がり、さらに脳が活性化する。脳科学者の古賀良彦教授が著者。
1,100円(税別)
マッターホルン、モンブランなど、白雪が残る雄大なスイスの風景を収録。そびえ立つ山々やのどかな田園のほか、大聖堂を抱くベルンやルツェルンなどの街並み風景も魅力的だ。日本や世界をスケッチ旅行しているイラストレーターが手がけているので、旅に出た気分で塗り進められる。
950円(税別)
ページを開くと、花園のような細密画がずらり。下絵を見ているだけで華やかな気分になる。「色を塗っていくことで花園が美しくよみがえる」がコンセプト。好きな色で好きなように塗っていくだけで様になっていく。絵の中に潜んでいる小さな動物を見つけるのも楽しみ。
1,300円(税別)
色をつけるのではなく、専用のペンで黒い画面を削ることで鮮やかな色やホログラムが浮かび上がるスクラッチタイプの塗り絵。アメリカなどの海外で大ブームを巻き起こしている。下絵をなぞりながら削るので誰でも簡単に素敵な絵が完成する。2017年6月に第二弾が新発売。
1,380円(税別)
好きに塗るのもいいけど、せっかくなら上手に塗って人に見せたいもの。失敗を防ぎながら、納得いく作品を仕上げるためのコツを造形絵画教室の先生に伺った。
塗り絵をやってみたいけど、上手に塗る自信がなくて…という場合は、見本があるもの、塗り方が書かれている塗り絵ブックを選ぶのがポイント。フルーツや花といったシンプルな絵柄から取り組んでみては。色鉛筆は、たいていの色がそろっている36色がおすすめ。最初からたくさんの色があると迷うので、足りない色を買い足していくくらいがちょうどいい。
メーカーによって色鉛筆の硬さは違うので、自分の筆圧や塗りやすさに合わせてチョイスしてみて。例えばドイツ製の「ステッドラー」は、やわらかな書き味ながらしっかりと発色してくれる。塗り絵中級になったら、水彩色鉛筆を試してみるのもいい。描いたあとに水筆でにじませると、水彩画のようなタッチを出せる。色鉛筆を削るときは、芯を長めに出しておくと鉛筆を寝かせて描くときに便利。
まずは見本を見て、使いたい色だけを机の上に並べてみて。見本がない場合は、メインのカラーを1〜2本決めて、補色に当たる色を3本ほどチョイスすると色選びがうまくいく。塗る順番は、薄い色を下地として塗ってから、徐々に濃い色を塗り重ねる。見本通りの色にならないのが普通なので、微妙な色の違いは気にせず、頭を上げた姿勢で全体を見ながら塗っていこう。
下地色を塗るときは、鉛筆を寝かせて。光と影を意識して塗ると立体的に仕上がる。写真のように、光の方向をイメージしながら、光が当たっているAの部分は明るく、Bに向かって徐々に濃く塗り、影になっているBの部分は濃く塗り込んでいく。塗りすぎたら、練り消しでポンポンとたたくように消していくと、何度でも塗り直しがきく。
色を重ねるときは、薄い部分から少しずつ、同系色から塗り足していくのがポイント。濃さを出したいときは、鉛筆を立てて塗ると、力を入れなくても色がつく。グラデーションや微妙なコントラストを出したいときは、黄土色の色鉛筆が重宝する。自然な陰影がつくので、リアリティある絵に仕上げられる。紫色も影を表現するのに最適なカラー。
「失敗してしまった…」という場合によく見られるのが、最初に濃い色で縁取りしてしまうケース。縁は濃くせず、むしろ際の部分に少しだけ白を残すのが秘けつだ。こうすることで、物に当たる光の反射をうまく表現できる。物の重なり部分に影をつけたいときも、黒や灰色は使わず、補色を使ってみて。黄色なら紫、赤なら緑が補色。
色鉛筆の使い方から塗る手順まで丁寧に教えてくれるので、塗り絵をしっかりとマスターしたい人は教室に通ってみるのも手だ。慣れるに従い、先生のもとで難易度の高い塗り絵にチャレンジできるのも醍醐味。大作を仕上げて教室主催の作品展示会に出品すると、より自信がつく。
<取材協力>
造形絵画教室 アトリエアンダンテ
大阪市天王寺区大道3-1-29
Tel. 06-6771-3176
Coloring&Paper Craft
「わあ、細かい」と声をあげてしまうほど精巧なペーパークラフト。テラダモケイの「1/100建築模型用添景セット」は、さまざまなシーンを100分の1に凝縮した紙模型だ。一番の特徴は「物語」があるところ。クリスマスツリーの前で男性がプロポーズしている様子や、満室のトイレが空くのを我慢して待っている人の様子など、ありそうな場面をユーモアたっぷりに再現している。写真の「街路樹編」では、葉っぱが47都道府県のカタチになっていて遊び心も満載。ピンセットや爪楊枝を使って一つひとつのパーツを組み立てていく作業は、ものづくりそのもの。完成品をじっと見つめ、模型が語り出す物語にイメージをふくらませるのもステキな時間だ。
photo : Kenji MASUNAGA
1/100建築模型用添景セット No.15
中生代・白亜紀編〈恐竜の繁栄と終焉〉
photo : Kenji MASUNAGA
ティラノサウルスやトリケラトプスなど、おなじみの恐竜たちが勢ぞろい。地質年代に忠実に従っているリアルさがいい。緻密そうに見えるが、パーツを切り離すだけで比較的簡単に仕上がる初心者向け。小学生低学年でもチャレンジできる。1,620円
photo : Kenji MASUNAGA
写真はNo.46とNo.50を組み合わせて製作したものです
1/100建築模型用添景セットNo.50
スラムダンクシリーズ 山王工業高校編
photo : Kenji MASUNAGA
写真はNo.46とNo.50を組み合わせて製作したものです
少年漫画「スラムダンク」ファンなら誰でも知っている名場面を再現。作者の井上雄彦氏が直々に監修し、白熱の試合シーンをペーパークラフトで表現している。登場人物やバスケットゴールを切り抜くたび、あの感動がよみがえってくる。1,620円
photo : Kenji MASUNAGA
1/100建築模型用添景セット No.68
ひまわり編
photo : Kenji MASUNAGA
背丈ほどのひまわりの群れに、誰とも知らない人がポツンと一人。男女の悲しい恋を描いた映画「ひまわり」のワンシーンを彷彿とさせる。ひまわりの花、茎と葉、人というシンプルなパーツだが、花の向きを変えたり葉の傾きを変えたりすると、グッと表情が出る。1,620円
photo : Kenji MASUNAGA
1/100建築模型用添景セット No.69
クリスマス編2
photo : Kenji MASUNAGA
街にしつらえられた巨大なクリスマスツリーの横で、サンタがプレゼントを運んだり、男性が女性にプロポーズしたり。ハッピーな聖誕祭のムードといっしょに、シャンシャンという鈴の音さえ聞こえてきそうだ。このアイテムをはじめとするクリスマスシリーズは、テラダモケイの中でも不動の人気。1,620円
photo : Kenji MASUNAGA
photo : Kenji MASUNAGA
寺田模型店
建築家・寺田尚樹氏と福永紙工株式会社が立ち上げた模型ブランド「テラダモケイ」のショールーム。豊富な製品の数々は、元々は建築模型の添景として考案されたもの。あえてディテールを作り込んでいないので、作り手が想像力の翼を広げられる。組み立てないでインテリアとして飾る人もいるとか。人気の「1/100建築模型用添景セット」はほぼ毎月、新製品が登場。難易度があり、店頭に行けば店員が自分に合った模型を提案してくれる。公式サイト内にあるネットショップでの購入も可能。