ローレル住質ラボvol.23

魅せる収納術02

魅せる収納術02

「整理」「収納」ができていると、
「片付け」がラクになる

整理整頓というと、「散らかったものを片付ける」と思いがちですが、実は、片付けに取り組む前に、整理と収納をあらかじめしておくことが重要です。そうすることで、短時間で家の中が片付くようになり、時間にも気持ちにもゆとりが生まれます。前回に続き、整理収納アドバイザーの西口理恵子さんに、整理収納のポイントやコツをうかがいました。

西口理恵子さん

整理収納アドバイザー1級、インテリアコーディネーター、宅地建物取引士。新築マンション営業、企画に携わり、「インテリアR」を立ち上げる。「美人収納」を掲げ、テレビ・雑誌でも活躍。セミナー・講演だけでなく、個人宅で、整理収納・インテリア・美を総合した「美人収納術」を直接指導している。


【実践編その2】

「出し入れがスムーズ」なのがキッチン収納のポイント

毎日使う食器や調理道具。ポイントは「きれいに収納する」ことではなく、「カンタンに出し入れできるよう収納する」こと。鍋やフライパンを重ねて収納すると、下にあるものが取り出しにくくなるので、写真のように、仕切りを用いて一つずつしまう「タテ収納」がおすすめです。こうしておけば片手でさっと取り出せます。砂糖や塩、出汁などの基本調味料は、同じ種類の容器に入れ、上から見てわかるようフタにラベルを貼っておけば、しまうのも取り出すのもラク。見た目の収納も美しくなります。

食器棚は、棚板の間をあえて狭くすると、多種類の食器をすっきり収納できます。グラスやカップは、奥に背の低いもの、手前に背の高いものをしまうと、奥にあるものが取り出しにくくなるので、同じ種類のものをタテ方向に並べるのがコツ。お皿を重ねるときは、使う人数分を重ねておけば、必要な枚数をすばやく取り出せます。
ボウルなどの深さのある食器は、上の棚ではなく、下の引き出し収納に。シンクや食洗機のすぐそばに収納場所を確保すると、出し入れがスムーズです。

下着や部屋着は「タンス」より「洗面室」に収納。ランドリー小物はカゴにまとめて

服を脱いだり着たりするのが最も多いのは、バスルームやランドリーにつながる洗面室。ここに下着や部屋着を収納しておくと、お風呂上がりのままお部屋をウロウロ…がなくなります。小さなお子さんのおむつもここに。また、細々とした女性のヘアケア用品やコスメは、カゴにひとまとめにしておくと、あちこち散らばらずにすみます。使ったあとはカゴごと収納すれば、洗面室はいつもすっきり。

洗濯洗剤、柔軟剤、洗濯用ネットなどのランドリー用品は、種類ごとにボックスに分けてラベリング。分けることで、何がどのくらいあるかが一目でわかるので「まだ予備があるのに同じものを買ってしまった…」といううっかりも防げます。汚れ物を入れるカゴは床に置かず、洗濯機の上や棚に置いておくと、汚れ物が人目につきにくくなります。

クローゼット収納も種類ごとに分けて。アクセサリーはフックにかけて取り出しやすく

洋服は、トップス、ボトムス、ワンピースなどの種類に分けたあと、それぞれ色別に固めて収納していくと、コーディネートするときに便利です。ハンガーは、クリーニング店のものを再利用するより、形や色が同じものを買いそろえるのがおすすめ。薄め、厚め、ボトムズ用などをそろえておけば、すっきりと収納できます。アクセサリー類は「高価なもの」「普段づかいのもの」という分け方ではなく、ネックレス、指輪、イヤリングなど種類別に分類。イヤリングなどは細かい仕切りボックスに、ネックレスや時計はフックにかけておくと、さっと出し入れできます。

納戸はゴールデンゾーンを意識して

家のあちこちから物が集まる納戸。まずは物を種類別に分け、カゴを多めに使って収納します。比較的よく使うものは目が届きやすい「ゴールデンゾーン」に、重い物は足元に、軽いものは上部に収納すると、すんなり出し入れできます。棚は、棚板を自由に動かせるタイプだと便利。将来的に物が増えても、物の大きさに合わせて収納幅を決められます。

本棚の収納は「本屋さん」を参考に

本屋さんに行くと、「料理」「趣味」など、種類ごとに本が並んでいます。この分類法をそのまま取り入れると、見分けのつきやすい本棚収納になります。書類を整理する場合は、色違いのファイルではなく、同じ色のファイルを用意し、ラベルで判別できるようにするのが美しく収納するコツ。学校のプリントなどは、月別にラベリングしたファイルにしまっておくと、あとで探しやすくなります。


キレイをキープするには?

さまざまなカラーが一つのお部屋に同居しているより、色を絞り込んだほうがお部屋がすっきり見えます。目安は3色。メインカラーを1色、サブカラーを2色選んでおくと、新しく物を買うときの色選びに迷いません。収納棚やボックスを見えるところに置く場合、色の統一感にも気を配ってみましょう。また、収納は「やったら終わり」ではなく、定期的に見直すのが秘けつです。見直すタイミングは年1回。「なんか不便だな」「使いづらいな」と3回以上感じたところを重点的に見直していくのがコツです。