ムダなお買い物が減らせて、
コーディネートも楽しいクローゼットへ。

今回は、女性のお悩みNo.1のクローゼットです。お洋服が大好きでつい買ってしまうという方の家にお伺いすると「 1年以上着ていない…」という服が多く出てきます。これでは衣替えも大変ですね。クローゼットの整理収納をすると、むやみに買わなくなるだけでなく、お店のように服1枚1枚が素敵に見え、毎日コーディネートを考えるのが楽しくなりますよ。ぜひ、トライしてみてくださいね。

1カ所決めて、まず整理、そのあと収納に取り組みます。それが終わった場所は、日々片付けのみでOK。つまり、整理収納とは、仕組みづくりなのです。


整理収納は「30分」と決めて行いましょう。

整理を始める前におすすめなのが、キッチンタイマーで30分をセットしてスタートすること。時間を区切らずに進めると30分があっという間に過ぎてしまうように感じます。あらかじめ「30分」と決めておくと、「①思いのほか時間が長く感じて作業を進められる」「②時間を区切ることで集中できる」という2つのメリットがあります。


人生で1回だけでよいので、服の枚数を数えてみませんか。

ところで皆さんは、ご自身が何枚の服を持っているかご存知ですか? 私はセミナーでよくこの質問をするのですが、たいていが「考えたこともない…」と言われます。想像枚数が100枚、実際に数えると300枚を超えていた方も!

このレッスンを読んだ後、ぜひ服の枚数を数えてみてください。今着ていない服、ルームウェア、コートも、服はすべて。例えば上下セットのパジャマも2枚と数えます。一気にすべてを数えてもよいし、写真のようにトップス・スカートなど種類別に紙に書きだしてもOK。

その数字を書いた紙を見て、適正量を決めてみましょう。ざっくりした数字で構いません。少ないことがよいのではなく、ご自身の適正量を一度決めることが大切です。

私服で仕事をする方は枚数が必要でしょうし、上質な服を何年も着たい方もいらっしゃるでしょう。整理収納はスッキリ暮らすのがゴールではなく、幸せに暮らすことがゴール。ご自身が幸せと感じる量を適正量にすればよいのです。


スマート衣替えの極意は、「夏」と「冬」を入れ替える。

衣替えと聞くと、クローゼットの中からすべてを出して、畳んで…と膨大な作業を考える方も多いのでは。ですが最近は、夏でもエアコンの影響でカーディガンを羽織ったり、冬でもTシャツをインナーに使ったりと、シーズンレスになってきています。

そんなとき、「春夏」と「秋冬」で服を入れ替えてしまうと、着たいときにTシャツが使えない、という事態に。そして同じような服を追加で購入してしまうという悪循環に陥ります。そのような事態を避けられるよう、「夏」と「冬」のみ入れ替える「スマート衣替え」を試してみませんか。つまり「春」と「秋」は1年中掛けたまま、ということです。意外と春と秋の服は1年中使えることが多いですよ。ぜひお試しください。


クローゼットの整理収納の手順。

私がお客様宅でクローゼットの整理収納をするときは、以下の手順で行います。

①クローゼットのある部屋のベッドメイクをし、ベッドを作業台にする。

②【分ける】トップス・ボトムスなど、いずれか1種類をまずはベッドの上に出していく。その際、形や季節、素材などでは分けず、ただ「色別」に分ける。白~黒のカラーグラデーションになるように。同じ種類・同じ色の服が多い場合、ブラウス・カットソーなど、もっと細かく分ける。

③【捨てる】「季節外」の服を衣装箱(写真のように密閉でき、中身が見えるボックスがおすすめ)に詰めながら、「よく着る服」をクローゼットに戻していく。カラーグラデーションのままがおすすめ。そして、残った「あまり着ない服」を手放す。悩んだら試着してみて、自分が素敵に見えるなら残す。いきなり適正量にしなくてもOK。

④②~③を、トップス・ボトムス・ワンピース・アウター・下着など、1種類ずつ繰り返す。

⑤【収納する】1種類ずつ場所を決めておく。例えば黒のTシャツを着たいとき、全体から探さず1か所から探すことになり、時短になるため。「季節外」の衣装箱を、頭の上の棚か足元へ。「季節外の服」とラベリングも忘れずに。


ハンガーを買う、という勇気を出してください。

おそらく多くの方が、クリーニング店のハンガーを再利用されていると思いますが、あのハンガーは人間の肩の丸みになっておらず、せっかくの服を傷めてしまいます。しかもハンガーの本数が増えると、服の量も必然と増えてしまいます。

例えば、皆さんが服を買いに行ったとき、ハンガーがバラバラでプラスチックハンガーや針金ハンガーに掛けられていたら、せっかくの服が素敵に見えないと思いませんか? 綺麗に揃った形のよいハンガーに掛けられているからこそ、選ぶのが楽しいと思うはず。皆さんのクローゼットも、そうなってほしいのです。

大型ホームセンターには、女性用・男性用のハンガーが売られていて、薄い服用・コート用・ボトムス用と、種類も豊富です。女性用は38~40cm幅、男性用は43~45cm幅。「ずり落ちない」と謳っているハンガーがおすすめ。値段は50本で3000円程です。すべてのハンガーが揃うととても綺麗ですよ。クローゼットの扉を開けるたびに、服を選ぶ幸せを感じてくださいね。


西口理恵子さん

整理収納アドバイザー1級、インテリアコーディネーター、宅地建物取引士。新築マンション営業、企画に携わり、「インテリアR」を立ち上げる。「収納・インテリア・美」を総合した「美人収納」を掲げ、テレビ・雑誌でも活躍。セミナー・講演だけでなく、個人宅で「美人収納術」を直接指導し、整理収納サービスで生まれ変わらせたお宅は200軒以上も。著書『毎日がうまく回り出す 1日1収納の法則』他多数。

次回(10月下旬公開予定)は、
冷蔵庫内の整理収納をご紹介予定です!