子どもがお片付けできるための
整理・収納を考えてみましょう。

今回は、小さなお子様がいらっしゃる方は必見、おもちゃ&子ども服収納です。
子どもが生まれる前はスッキリ綺麗に過ごしていたのに、生まれたとたんモノが大量に増え、あっという間に片付けられなくなる方も多いです。私は5歳・3歳の子どもがおり、日々感じるのは、「大人が正しく整理・収納をすれば、子どもは片付けられる」ということ。ぜひ、レッスンにトライしてみてくださいね。

1カ所決めて、まず整理、そのあと収納に取り組みます。それが終わった場所は、日々片付けのみでOK。つまり、整理収納とは、仕組みづくりなのです。


整理収納は「30分」と決めて行いましょう。

整理を始める前におすすめなのが、キッチンタイマーで30分をセットしてスタートすること。時間を区切らずに進めると30分があっという間に過ぎてしまうように感じます。あらかじめ「30分」と決めておくと、「①思いのほか時間が長く感じて作業を進められる」「②時間を区切ることで集中できる」という2つのメリットがあります。


子ども服は、サイズアウト・現在のサイズ・大きなサイズに分け、引き出しに収納。

子ども服は、50~160サイズまで、10cm単位で作られていることがほとんど。まず30分、子ども服をすべて出し、50~160サイズ別に分けましょう。

サイズアウトした服も、大きなサイズの服も、量が一目瞭然になります。この時、サイズタグが首裏にない場合は、首裏にサイズを油性ペンで書いておくと、今後探す時間がぐんと減ります。

これから着る大きなサイズの服は、引き出しの一段を紙袋やボックスで仕切り、引き出しにマスキングテープでサイズを書いて収納。1年後の服をいただいても、10秒で収納することができます。

まだ綺麗なサイズアウト服は、1枚ずつジッパー付き袋に収納し、引き出し内にセットした箱に収納。子連れのお友達が遊びに来たら、箱のままリビングへ。好きな服を持って帰っていただきましょう。

大切なのは、これらの「今使わない服」の住所も、きちんと決めること。紙袋に入れてどこかの隙間に、なんてことをすると、探す時間がかかります。


現在のサイズの服は、子どもが自分で取り出せるように。

子どもの着替えに便利な場所は、リビングやその近くの部屋。その場所に、子どもの目線より低めの引き出しを用意しましょう。トップス・ボトムス・靴下を、引き出し一段に入れると、一度引き出しを開けるだけですべてのアイテムを取り出すことができます。

種類別の絵が描かれたシールを手前に貼っておけば、何がどのあたりに入っているかが一目瞭然。定位置管理することで親も子どもも迷いません。ぜひトライしてみて。


「我が家のおもちゃ」の適正量を決めましょう。

適正量とは、「子どもが楽しく遊べる適量」のこと。1カ月以上遊んでいないおもちゃが複数ある場合は、適量以上かもしれません。家族で話し合い、「ここに入るだけ」と場所の容量で適正量を決めてみませんか。

我が家は、子どもの目の高さまである、2カ所の棚に入る量を適正量としています。案外子どもは、持っているおもちゃで創意工夫をして遊ぶものです。

我が家の子ども2人には、お誕生日やクリスマスにおもちゃをもらう際、「新しいおもちゃのお家を作らないとね。今のおもちゃのどれとバイバイする?」と聞きます。今のおもちゃを1つ手放さないと1つ買わない、と徹底しているのです。

これをずっと行っているので、子どもは自らバイバイするおもちゃを選び、「今までありがとう~バイバイ」とゴミ箱に入れるようになりました。ここで親が「これは高いからダメ」と言いません。「手放すことは悪くない」と教えることが大切だからです。

人生は選択の繰り返し。どの学校に行くのか(2つの学校には行けませんよね)、誰と共に過ごすのか(体はひとつです)。おもちゃで「手放す」ことを練習すれば、今後の人生に必要な「モノ・コトを選択する力」を身に付けられます。


年齢別、おもちゃの収納。

適正量が決まったところで、使いやすく・しまいやすい収納方法をお伝えします。0~2歳は、大きく3つに大分類し、カゴにラベリングします。「キャラクター名」「のりもの」「その他」のように。この3つに分けられたらOK、としましょう。

おもちゃを収納する際、この3つのカゴから「選択」させます。2歳になると、大体のお子様が分けられるようになります。なお、選択肢が3つ以上だと悩む時間が増え、「面倒」と感じてしまいますのでご注意を。おもちゃ棚に入らない大きなおもちゃは、床にマスキングテープを貼り、おもちゃの住所を作ってあげてください。

3歳以上は、もう少し踏み込んだ中分類を。「大きいブロック」「小さいブロック」など、その子の好きなモノを細分化します。様子を見ながら、年齢が上がるごとに中分類→小分類にするとよいでしょう。

以下の2点の収納は、使いやすく・しまいやすいのでおすすめです。
・持ち運びして遊ぶおもちゃ(ブロックなど)・・・持ち手つきカゴに入れる
・その場の近くで遊ぶおもちゃ(地球儀など)・・・型取りした色紙の上に置く

そして、1日30分、「元の位置に戻す」片付けを親子で楽しんで取り組みましょう。音楽をかけてもいいですね!ちなみに、我が家はお風呂上がりの夜8時から30分間行っています。時間を決めれば、8時以前に「片付けなさい!」と怒らずに済みますよ。


西口理恵子さん

整理収納アドバイザー1級、インテリアコーディネーター、宅地建物取引士。新築マンション営業、企画に携わり、「インテリアR」を立ち上げる。「収納・インテリア・美」を総合した「美人収納」を掲げ、テレビ・雑誌でも活躍。セミナー・講演だけでなく、個人宅で「美人収納術」を直接指導し、整理収納サービスで生まれ変わらせたお宅は200軒以上も。著書『毎日がうまく回り出す 1日1収納の法則』他多数。

次回(8月下旬公開予定)は、
使いやすくて美しいキッチン収納をご紹介予定です!